2024 Fiscal Year Research-status Report
進行軟部肉腫における腫瘍免疫逃避機序の解明および新規治療法の開発
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24K12311
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鍋島 央 九州大学, 大学病院, 助教 (90908683)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | 軟部肉腫 / 腫瘍免疫 / 希少ガン / がん治療 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、進行軟部肉腫における免疫逃避機構の解明および新規免疫治療標的の同定を目的として実施された。原発巣および肺転移巣の免疫プロファイルを比較することで、肺転移に特異的な免疫学的特徴を明らかにすることを目指した。 38例の軟部肉腫患者において原発巣および肺転移巣の免疫組織学的解析を行った結果、肺転移巣ではCD8陽性T細胞の浸潤が有意に減少していることが確認された。さらに平滑筋肉腫6例に対して遺伝子発現解析を行い、肺転移巣において上皮細胞接着分子(EPCAM)の発現が上昇しており、CD8陽性T細胞の浸潤と強い負の相関を示すことを明らかにした。加えて、ヒト平滑筋肉腫細胞株を用いたin vitro解析により、EPCAMがCD8陽性T細胞の遊走を抑制する因子であることを確認し、EPCAMが免疫逃避に関与する可能性を示唆した。 これらの成果は論文化し、軟部肉腫に対する免疫治療開発に資する新たな知見を提供した。 現在は、当初計画に記載した肺転移マウスモデルの応用として、骨肉腫の肺転移モデルを用い、低毒性化TLR4作動薬の抗腫瘍効果を検討している。EPCAMを介した免疫逃避の知見を踏まえ、CD8陽性T細胞の活性化を通じた肺転移制御を目指す研究へと発展している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、原発巣と肺転移巣の免疫環境の比較解析から、免疫逃避に関わる分子の同定、機能解析までを段階的に進める計画であったが、各ステップはおおむね順調に進展している。EPCAMの同定およびその機能解析は予定通り完了し、関連研究として論文発表にも至った。 また、研究計画に記載されていた肺転移モデルに関しては、軟部肉腫におけるモデル確立が困難であったため、より実験的再現性の高い骨肉腫の肺転移モデルを代替として活用している。現在は、低毒性TLR4作動薬の抗腫瘍効果を評価する実験を進めており、CD8陽性T細胞の活性化を介した免疫応答の誘導という研究の根幹は維持されている。これらの内容は研究の目的と整合性があり、発展的に進展していると評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、骨肉腫肺転移モデルを用いた低毒性TLR4作動薬の投与実験を継続し、CD8陽性T細胞の浸潤および活性化を指標とした免疫応答の評価を行う予定である。さらに、EPCAMによる免疫抑制の知見を踏まえ、免疫賦活化剤との併用効果についても検討する。既存の免疫チェックポイント阻害薬やTLR作動薬との併用は、肺転移に対する新たな免疫治療法の開発に繋がる可能性があり、研究の波及効果が期待される。 当初計画には明記していなかった部分もあるが、研究の目的や仮説に沿った自然な発展であり、得られた成果と知見をもとに柔軟かつ戦略的に研究を推進していく。
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| Causes of Carryover |
一部の試薬・消耗品が当初の見積より安価に購入できたため、67,774円の未使用額が発生した。次年度は引き続き行う実験に必要な試薬や資材の購入に充当する予定である。
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