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2024 Fiscal Year Research-status Report

Structural basis of inflammatory induction mechanisms by extracellular nucleosomes

Research Project

Project/Area Number 24K18462
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

塚田 耕太郎  名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (30992200)

Project Period (FY) 2024-04-01 – 2026-03-31
Keywords細胞外クロマチン / DAMP / 炎症 / 自然免疫 / 自己免疫疾患
Outline of Annual Research Achievements

試験管内再構成ヌクレオソームの調製のため、ヒストンH2A、H2B、H3、H4から構成されるヒストンオクタマーを調製した。このヒストンオクタマーと、Widom 601配列からなる145 bpのDNAを用い、塩透析法によってヌクレオソームを高純度に精製した。リコンビナントLLT1については、ヒト由来細胞であるExpi293F GnTI-を用いた発現系によって精製した。ゲルシフトアッセイによって、試験管内におけるLLT1とヌクレオソームの結合試験を行ったところ、架橋処理を行った条件下において、LLT1がヌクレオソームに結合することが確認された。さらに、密度勾配遠心分離法を用いた分画によって、このLLT1-ヌクレオソーム複合体のクライオ電子顕微鏡サンプルを調製することに成功した。クライオ電子顕微鏡によってこの複合体の構造情報を取得したところ、解析の過程で、ヌクレオソームの周辺や、特にH2BのN末端テール領域に、LLT1由来と思われる電子密度が観察された。この結果は、LLT1がヌクレオソームと直接相互作用していることを構造的に支持するものであり、今後の詳細な原子分解能解析への足がかりとなる成果となった。
今後の研究によって、細胞外ヌクレオソームに対するLLT1の結合様式とその構造的基盤がさらに明らかになれば、自己免疫疾患におけるヌクレオソーム認識機構の理解が大きく前進すると期待される。特に、SLEのように自己抗原としてのヌクレオソームが病態形成に深く関与する疾患においては、LLT1-ヌクレオソーム複合体の構造情報は、疾患特異的な免疫応答を抑制する新規治療標的の同定に直結すると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究は、2024年度段階では、LLT1とヌクレオソームの結合の有無およびその生化学的性質の検討を目的として計画されていた。しかし、研究の実施過程において予想を上回る順調な進展があり、構造解析が可能な段階にまで到達した。具体的には、当初困難が予想されていた高純度なリコンビナントLLT1タンパク質の調製に成功し、さらにLLT1とヌクレオソームとの複合体形成条件も早期に確立されたことが、大きな進展の要因となった。加えて、架橋処理を施した条件下で明確なバンドシフトが得られたことで、LLT1とヌクレオソームが直接結合し、構造解析に適した安定な複合体として調製可能であることが実証された。

Strategy for Future Research Activity

細胞外ヌクレオソームがLLT1を介して細胞内にエンドサイトーシスされた後、エンドソーム内においてTLR9によって特異的に認識されることで、炎症性サイトカインやインターフェロンの産生を含む免疫応答が活性化されることが示唆されている。このように、ヌクレオソーム認識を介した免疫活性化カスケードの全容を解明するためには、TLR9-ヌクレオソーム複合体の構造解析が不可欠であると考えられる。今後は、TLR9の精製を目的として、LLT1と同様にExpi293F GnTI-細胞を用いた発現系により発現条件の最適化を行い、構造解析に適した高純度なTLR9タンパク質の調製を目指す。得られたTLR9を用いてヌクレオソームとの複合体形成を試み、クライオ電子顕微鏡構造解析を通じて、ヌクレオソーム認識後に誘導される免疫活性化機構の分子基盤を明らかにしたい。これにより、LLT1からTLR9に至る一連のヌクレオソーム依存的免疫活性化経路の全体像の解明に貢献することが期待される。

Causes of Carryover

本年度は、当初計画していたLLT1とヌクレオソームの結合性の生化学的解析が予想以上に順調に進展し、クライオ電子顕微鏡による構造解析に着手する段階に到達した。一方で、TLR9タンパク質の発現および精製に関しては、適切な発現条件の検討と発現スクリーニングに時間を要したため、大規模なタンパク質調製および構造解析に必要な試薬や消耗品の使用が次年度に繰り越されることとなった。これにより、一部の試薬購入費が未執行となり、次年度使用額が生じた。
次年度は、Expi293F GnTI-細胞を用いたTLR9タンパク質の発現条件の最適化を継続し、得られたタンパク質を用いてヌクレオソームとの複合体形成およびクライオ電子顕微鏡による構造解析を実施する予定である。そのため、次年度使用額は、TLR9の精製に用いる発現系試薬、抗体、精製カラム等の消耗品費等に充てる予定である。

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Published: 2025-12-26  

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