2024 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症における基底細胞上のSignal Regulatory Protein αの機能解明
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24K19088
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高野 智嗣 九州大学, 大学病院, 助教 (80978958)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Keywords | 気道上皮細胞 / 創傷治癒 |
| Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは公共データベースを用いて気道上皮Air-liquid interface培養 のシングルセルRNAシークエンスデータを再解析した。SIRPα高発現の細胞集団は低発現の集団と比較し創傷治癒、細胞外マトリックス形成などのgene ontologyを有するRNA発現が上昇していることが確認された。 培養条件下においてヒト上皮基底細胞はSIRPαを一定発現しているため、次にヒト上皮基底細胞におけるSIRPαの網羅的な機能解析を目的とし、ヒト上皮基底細胞のSIRPαをノックダウンしRNAシークエンスを行った。SIRPαのノックダウンにより細胞外マトリックス形成に関わるRNA発現変化は見出せなかった一方で創傷治癒に関連する遺伝子群はSIRPα発現低下によって低下することが確認された。 公共データベースの結果も踏まえ線維化への作用、間質性肺炎病態との関連に着目していたため、ヒト上皮基底細胞を線維化した肺胞領域で増加しているTransforming Growth Factor-β (TGF-β) により刺激、SIRPαをノックダウンした条件下で細胞外マトリックスタンパク発現を評価したがSIRPα有無によって無刺激下およびTGF-β存在下において細胞外マトリックスタンパクの発現量に差は見出せなかった。 以上の結果から、今後はヒト上皮基底細胞におけるSIRPαの機能として線維化のみならず創傷治癒にも着目し今後の解析を進める予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、間質性肺炎を模した肺末梢の線維化環境における気道上皮におけるSIRPαの機能解析を第一に行う方針としていたが、SIRPαの遺伝子操作により創傷治癒に関連する遺伝子が最も変動していた。さらに線維化環境を模したTransforming Growth Factor-β (TGF-β) 刺激下においてもSIRPα遺伝子操作による線維化に関連する遺伝子発現変動も明らかでなかった。 これらの結果を踏まえ、これまで明らかとされていない気道上皮におけるSIRPαの機能解析について特に創傷治癒に着目して解析を進める方針である。
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| Strategy for Future Research Activity |
創傷治癒についてはin vitroにおけるヒト気道上皮細胞を用いたscratch assayにて機能的な評価を行う。また、SIRPαをノックダウンしたヒト上皮基底細胞RNAシークエンスを用いたパスウェイ解析では上皮成長因子(EGF)との関連が示唆されており、EGF経路とSIRPαの関連について分子生物学的な検討を行う予定である。 また、創傷治癒以外のSIRPαの機能解析として基底細胞から線毛細胞、杯細胞などの分化に影響を与える影響をAir-liquid interfaceを用いて検討する予定である。
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| Causes of Carryover |
今年度については消耗品費用、RNAシークエンスなどの実験費用については他財源より支出した。 来年度会計以降にて消耗品費用、質量分析、リン酸化プロテオーム解析などのうち、支出可能な金額に応じて本財源から使用する見込みである。
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