2013 Fiscal Year Annual Research Report
歴史写真に基づく1860~1930年代の日独関係史の再構築
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25240053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 章 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (10208704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
研谷 紀夫 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (00466830)
北田 暁大 東京大学, 大学院情報学環, 准教授 (10313066)
添野 勉 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 研究員 (20436512)
吉見 俊哉 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (40201040)
五百籏頭 薫 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40282537)
佐藤 健二 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50162425)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2016-03-31
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Keywords | 歴史写真 / 歴史情報 / 国際関係 / 画像史料 / デジタルアーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、平成25年度10月に採択されたので、まず、研究代表者と分担研究者との間で、本年度に行う課題を調整して、本課題の最終的な達成目標を変えずに、初年度に当たる平成25年度の当初計画を見直した。その結果、本年度は、事前準備に基づいて、課題を絞り込んで確実な成果が見込まれる課題に取り組むこととした。しかしながら、研究期間を延長する(繰り越す)ことによって、最終的には、当初計画していた初年度の課題を完遂しえた。 その第一は、ボン大学が所蔵するフリードリヒ・トラウツのコレクションの調査を中心に、幕末・維新期の日独(プロイセン)の交流を示す写真資料の整理、複写に取り組んだ。なかでも、トラウツが明治初年のプロイセン公使アイゼンデッヒャーから譲り受けたと言われる資料に関しては、すべての調査を完了して、目録を作成した。 第二には、ヘルムート・グラウが撮影した写真の整理を行い、日記・手記・書簡などの文献資料と照合してプロファイリングを行い、目録を作成した。さらに、それらの日本語仮訳を完成させ、校正作業に着手した。。 第三は、のちに日独外交において重要な役割を担う人々の多くが留学した米国ラットガース大学図書館が所蔵するグリフィス・コレクションの整理を行った。その成果の一部として、国際交流センター小村記念館(宮崎県日南市)の常設展示に協力した。 そして、第四は、日本写真史の黎明期におけるキーパソンである上野彦馬が経営した写真局の海外支店(上海・香港・ウラジオストック)に関する文献調査を行った。その過程で、従来知られていなかった上海支店において撮影された写真を新たに発見した。 以上の作業を通じて、初年度の当初計画である幕末・維新期の日独(プロイセン)の交流を解明するとともに、収集した写真資料等の電子データのアーカイブ構築について検討し、かつ、次年度以降の研究の基礎的資料(複写写真と文献資料)を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の採択が平成26年10月であったため、課題全体の達成目標を変えることなく、初年度に当たる平成25年度の研究計画の見直しを行ったが、研究期間を延長する(繰り越す)ことによって、結果的には、当初の計画通りに課題を推進しえたとともに、次年度以降の研究の基本的資料を整備しえたから。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究が、当初の研究計画通りに進んだので、今後とくに研究の推進方策について大幅に見直す必要はなく、研究代表者と研究分担者の分担に基づき、研究協力者の協力を得ながら、国内外の資料調査、整理、分析を進める。ただし、収集資料が当初の見込みを越えつつあるので、その整理のための人員を増やす必要がある。
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Remarks |
本課題は写真資料を取り扱うので、ウェブサイトにも歴史写真等を掲載しているが、右クリックによるコピーが出来ないように設定している。
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Research Products
(1 results)