2013 Fiscal Year Annual Research Report
アパレルの質と国際競争力向上の基盤となる日本人の人体計測データの構築と多角的分析
Project/Area Number |
25242010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大塚 美智子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30233183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014836)
森 由紀 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (70153674)
持丸 正明 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, その他 (90358169)
渡邊 敬子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (80369652)
小山 京子 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70351939)
石垣 理子 昭和女子大学, その他の研究科, 准教授 (70185875)
雙田 珠己 熊本大学, 教育学部, 教授 (00457582)
田中 早苗 東京家政大学, 家政学部, 講師 (40349519)
布施谷 節子 和洋女子大学, その他部局等, 教授 (50316816)
土肥 麻佐子 大妻女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60553542)
中村 邦子 大妻女子大学短期大学部, その他部局等, 助教 (40171954)
原田 妙子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40238184)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 解析・評価 / JIS衣料サイズ / 三次元計測 / 手計測 / 精度検証 / ISO / TC133 |
Research Abstract |
本研究の目的は、全国規模の人体計測を実施し、最新の日本人の体型を分析し、グローバルな視点から国際比較を可能とするデータベースの基盤をつくることである。 1.25年度は衣服設計のため体格調査の調査方法に基づき、ISOで検討されている人体計測方法や三次元計測の問題などを考慮しながら、この調査の計測基準点、計測項目、計測方法を検討した。併せて計測着などの諸条件をデータ、特に三次元計測に影響があるため慎重に検討し決定した。この間、科研メンバーにより25年4月13日、8月28日、26年3月8日の3回打ち合わせ会を実施、また、3月8日には計測練習を実施した。また,大塚、高部、渡邉、鳴海は11月、12月、1月に詳細な研究打ち合わせを実施した。これらについて大塚は8月30日に日本家政学会被服構成学部会で人体計測特別委員会中間報告を行った1)。2.大塚、高部、持丸、河内は現在検討されているISO とJIS の計測定義の提案根拠となる基準点の設定法、計測方法を検討し、ISOTC133 WG1、WG2、WG3にWGのエキスパートとして審議に加わり、特に世界的に統一が図られていない部位や計測、評価方法に焦点を当てて検討した。股大塚と高部は2013年5月27日~31日にフランス・パリで開催されたISOTC133に出席し日本案を提案した。3. 25年度、高部が文科省のデータに基づき地域差の分析を行った結果、衣服サイズに影響を与える地域差は認められなかったため、関東、中部、近畿、中国、九州の5地域で実施することとし、各地域における計測人数を確定した。また手計測と三次元計測の互換性を明確化するため、基礎研究として大塚らは3次元計測の精度検証を行った2)。 1)大塚美智子,アパレルに生かす人体計測の取り組み,日本家政学会被服構成学部会夏期セミナー要旨集,33-35,2013,8 2)全ソユン,大塚美智子,武本歩未,高齢女性の座位姿勢の体幹形状の分析,日本家政学会,64,10,655-661,2013.査読有
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請では全国の10 地域を対象に大学生と高齢者の各年代男女各100 名計4000 名のデータを採取し、このうち2000 名については三次元計測を併せて実施する予定だったが、全国組織で計測チームを編成することが困難なこと、また高部による文科省の身長と体重データを用いた地域差検討結果から、北が大、南が小という傾向があるものの、僅かな差であるため、地域差を配慮する必要はないであろうと判断し、当初の予定を変更し、本計測では主として関東(東京)、関西(京都、神戸)、中部、中国、九州地区の5地区を中心に計測を実施することとした。しかし本計測に当たり、準備・検討すべきことが多々有り、本年度はそのための検討に多くに時間を費やすことになった。一方、大塚と武本は25年8月に中国に赴き、中国人高齢者男女200名の計測実施したことで、計測の計画・方法の妥当性を確認することができ、本計測実施方法にリアルに反映させることができた。 本研究は、研究代表者、研究分担者だけでなく、日本家政学会被服構成学部会に所属する多くの研究者と連携・協力して人体計測を実施することを目指しているため、夏期セミナーで計測・研究への協力を要請したところ、科研申請者以外で10名にご協力いただくことになり、26年度より連携研究者に加わっていただくこととなった。またその他の協力者にも自ら申し出ていただいていることは大きな成果である。 その他、本研究における基準点・計測項目の規定、計測方法のISOとの整合については、TC133のエキスパートとして大塚、高部、持丸、河内が審議に加わることで、正確に図ることができたことは意義のあることであった。また,渡邉と大塚らは独自の計測データに基づき、多角的に精度検証を進め、26年度に実施する本計測に向けた準備を万全に整えることができた。このような理由から25年度計画を概ね達成できたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.手計測と三次元計測をまず26年度を目標に関東、中部、関西の3地域で実施し、27年度以降は中国、九州の2地域で実施する(平成28 年まで)。27年度には九州地区、中国地区にボディラインスキャナーを移設して計測を行う予定である。被験者は、各計測地域の責任者を中心に、大学生と地域のシルバー人材センターを通じて目標人数を確保する。その他の年齢層についても、少人数ではあるが、27年度以降に企業などの協力を要請し計画的にデータを採取する予定である。 2.各地域の計測責任者は計測チームメンバーの協力を得て手計測データを入力し、計測ミス・記入ミスなどをチェックする。三次元計測に関しては、計測と同時にランドマーク位置の確認を行い、ミスがあれば再度計測する。そして、自動採寸を行い、データベースを作成する。 3.大塚・渡邊をコアメンバーとし手計測と三次元計測の互換性、人体計測値と三次元形状の両面からの体型の分析を引き続き行い、これまで明確にされてこなかった、現代日本人の体型特徴と、経年変化を分析し、明らかにする。(平成28年3月まで) 4.大塚・持丸・渡邊をコアメンバーとし三次元計測データから相同モデルを作成し、主成分分析を施し、JIS 衣料サイズに対応する、新たなアパレルのための日本人の三次元人体標準サイズバーチャルモデルを設計する。(平成29 年3 月まで) 5.本研究はグローバルな視点から、世界共通の衣料サイズの検討を視野にデータを採取し、分析するものであるが、世界共通に規格化できる部分と各国特有の性質の部分を層別し、サイジングにむけて綿密な分析を行い、本研究によって得られた成果は段階的に口頭発表や学会誌への投稿を行うとともに最終的に報告書にまとめる。これと同時にアパレル業界でも利用できるように、一般に分かりやすく平易にまとめてホームページ上での公表を行う計画である。
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Research Products
(20 results)