2015 Fiscal Year Annual Research Report
アパレルの質と国際競争力向上の基盤となる日本人の人体計測データの構築と多角的分析
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25242010
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大塚 美智子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30233183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 由紀 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (70153674)
持丸 正明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, その他 (90358169)
渡邊 敬子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (80369652)
小山 京子 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70351939)
石垣 理子 昭和女子大学, その他の研究科, 准教授 (70185875)
雙田 珠己 熊本大学, 教育学部, 教授 (00457582)
田中 早苗 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40349519)
布施谷 節子 和洋女子大学, その他部局等, 教授 (50316816)
中村 邦子 大妻女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40171954)
土肥 麻佐子 大妻女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60553542)
原田 妙子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40238184)
小柴 朋子 文化学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70310399)
滝澤 愛 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (20512437)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 人体計測データベース / 手計測 / 三次元計測 / ISOTC133 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は当初少人数計測を予定していた25歳~59歳の社会人の三次元計測および手計測を,企業から被験者の協力が得られたため大規模計測として7月~11月までの夏期休暇期間および平日夜間と土曜日に実施した。協力企業は花王㈱,㈱島精機,㈱ナイガイ,㈱ニッセンホールディングス,東京吉岡㈱,㈱三陽商会,㈱レナウン,㈱オンワード樫山,オルガン針㈱,㈱ダイドーリミテッドの10社の他,大学関係者などである。計測実施に当たっては企業担当者と綿密な打ち合わせをし,特に被験者に対する倫理的配慮を重視した。社会人の計測の多くは三次元計測を含む計測となるため,各地域の計測班から計測可能なメンバーを募り,計測班を再構成し実施した。また計測班が企業に赴いての計測も行った。三次元計測は三次元計測器を所有する日本女子大学,文化学園大学,京都女子大学で実施した。採取した計測者数は三次元計測と手計測を合わせて実施の20歳代から50歳代が619名,手計測のみを合わせて828名であり,目標数を若干下回ったが,不足分は28年度に実施予定である。また,地域性を配慮し,夏期には熊本大学と美作大学で学生238名の計測を実施した。 これらの計測実施状況,今後のデータ分析の方針については日本家政学会被服構成学部会夏期セミナーにて大塚と渡邉が報告をした。本研究の目的である人体計測データベース構築のための成人のデータのほとんどを採取できたため,2月より高部,大塚,武本を中心にデータの整備を進め,計測班ごとにデータチェックを行った。このデータベースにはさらに平成28年度採取予定のデータを加える予定である。これにより日本人の最新の体型分析を行うと同時に,日本のアパレルの新サイズシステムを構築でき,国際化に向けての基礎を確立できる見通しが立った。また大塚と高部は2015年9月に日本で開催されたISO,TC133総会にエキスパートとして参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度に大学生と高齢者1494名の計測を実施し,27年度には企業協力を得て25歳~59歳の社会人828名と,熊本と岡山で学生238名の計測を実施し,計2569名の人体計測を終了した。これにより各年代の計測者数は目標人数をほぼ達成できているが,当初の目標は三次元計測データで各年代1男女各100名を集めることであり,社会人においては各年代10名~20名不足しているため,またデータの精度を高めるために,さらに計測を継続する予定である。ただ27度に着手予定だったデータ分析についてはデータの整備とデータベースの構築を優先して実施することとしたため,28年度以降に行うこととなった。現在本部(大塚)に提出された手計測データについては高部,大塚,武本がデータチェックを行い,データベースを作成中である。また,三次元計測データについては渡邉を中心にデータを整備し,ジェネリックモデルを作成中である。これらが整備でき次第,データ分析を開始するが,すでに研究協力者については募集を行っている。 また本データベース使用のための同意書(案)を26年度に作成し,管理体制を整え,データベース公開のための準備を進めているが,企業へのデータ提供については要請が高いが,公正性の観点から慎重な対応が求められるため,さらに検討する予定である。 大塚と高部がエキスパートとして参加した2015年9月に日本で開催されたISO,TC133総会では,WG1の人体計測法,計測基準点のISO化が,日本,韓国,イギリスを中心に進められ28年度中に新しいISが作られる予定である。本計測データもこれらの議論を視野にその方法などを検討しており,本研究における計測方法,基準点と新ISOとの整合化にもつとめた。また,同じくISOTC133WG2ではバーチャルフィッティングに関する規格が提案されており,本研究におけるデータベースにも反映すべき内容であるため,注視していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
28度は計測データの詳細な解析と,基本情報の公開を目的として,各計測班で採取されたデータの統合と,データチェックを行い,項目別基本統計量とヒストグラムを算出し,人体計測データベースの基礎資料とする。手計測データについては,高部,大塚,武本を中心に年齢別の基本統計量を算出,JISに用いられる基本身体寸法,体型区分に応じた解析を行い,データブックを制作する予定である。このデータブックはアパレル企業にとっても有益なものであり,社会的にも貢献できるものとなる。また,手計測データを用い,大塚,雙田,中村,土肥を中心にJIS衣料サイズ改訂の是非の検討を行い,高部,大塚,布施谷を中心に時代差の検討を行う。高齢者と若年者の体形の相違に関する検討は森を中心に,石垣,小山,原田が行う。 三次元計測データについては精度検証を行うと同時に年代別,体型別の三次元平均形状のジェネリックモデルを作成する。三次元データの精度検証については渡邉,河内,小柴,丸田を中心に,三次元データによる左右差と姿勢の加齢変化については,大塚,滝澤,河内,武本を中心に,年代別,体型別の三次元平均形状の分析,作成は,渡邉,大塚,武本を中心に行う。さらに,その他の分担研究者および連携研究者から研究課題を募り,さまざまな角度から検討する予定である。 またJIS衣料サイズ改訂の是非を検討するためにも,25歳~59歳社会人の追加計測を実施し,全計測者数3000名以上を目標とする。企業計測については,関東は大塚を中心に中村,田中,鳴海,布施谷,土肥,中村,小柴が担当し,関西は渡邉を中心に実施する。なお,協力企業は豊島㈱と㈱ニッセンホールディングスである。 これらの研究成果については,本年度から次年にかけて,学会等で発表し,論文を投稿する。
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Research Products
(46 results)
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[Journal Article] 大学における効果的な授業法の研究6 学生の予習・復習等の勉強時間に関する一考察2015
Author(s)
白井靖敏,大島光代,大嶽さと子,神崎奈奈,,嶋口裕基,遠山佳治,羽澄直子,原田妙子,富士栄登美子,幸順子
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Journal Title
総合科学研究
Volume: 9号
Pages: 1-6
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[Journal Article] A novel mesurement method for the morphology of the mandibular ramus using homologous modeling.2015
Author(s)
Inoue.K,H.Nakano,T.Sumida ,T.Yamada,N.Otawa,N.Fukuda,Y.Nakajima,W.Kumamaru,K.Mishima,M.Kouchi,I.Takahashi,Y.Mori
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Journal Title
Dentomaxillofacial Radiology.
Volume: 44
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 顔面サイズの個体差とその要因2015
Author(s)
木村亮介,渡辺千晶,宮里絵理,山口今日子,佐藤丈寛,伊藤毅,川口亮,石田肇,山口徹太郎,山本健,河内まき子,持丸正明
Organizer
第69回日本人類学会大会
Place of Presentation
産業技術総合研究所(東京都江東区)
Year and Date
2015-10-11
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[Book] 衣生活学2016
Author(s)
佐々井啓・大塚美智子編著,米今由紀子,佐藤恭子太田茜,櫻井理恵,滝澤愛,松島みち子,岩崎恵子,小町谷寿子,沢尾絵,松梨久仁子,中村邦子,花田美和子
Total Pages
149(68-78,82-103,121-124,135-136)
Publisher
朝倉書店
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[Book] 衣服の百科事典2015
Author(s)
大塚美智子編集代表,日本家政学会編,石垣理子,川上梅,猪又美栄子,小柴朋子,薩本弥生,雙田珠己,高部啓子,滝澤愛,武本歩未,土肥麻佐子,中村邦子,布施谷節子,丸田直美,持丸正明,渡部旬子,川端博子,森俊夫,牛腸ヒロミ,平井郁子
Total Pages
650(46-47,58-62,230-233,404-405,462-463)
Publisher
丸善出版
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