2016 Fiscal Year Annual Research Report
アパレルの質と国際競争力向上の基盤となる日本人の人体計測データの構築と多角的分析
Project/Area Number |
25242010
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大塚 美智子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30233183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雙田 珠己 熊本大学, 教育学部, 教授 (00457582)
滝澤 愛 椙山女学園大学, 生活科学部, 講師 (20512437)
中村 邦子 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 講師 (40171954)
原田 妙子 名古屋女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (40238184)
田中 早苗 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40349519)
土肥 麻佐子 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 准教授 (60553542)
森 由紀 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (70153674)
石垣 理子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (70185875)
小柴 朋子 文化学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70310399)
小山 京子 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70351939)
渡邊 敬子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (80369652)
持丸 正明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (90358169)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | JIS衣料サイズ / 三次元計測データ / 手計測データ / 精度検証 / 平均形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は関東地区では25歳~59歳の社会人(158名)の手計測を実施した。計測は大塚を中心に班編成を再度組み替えて、大塚、高部、鳴海、布施谷、丸田、田中、中村らが行った。計測場所は豊島㈱、計測期間は8月29日~9月2日の5日間である。計測はまた、関西地区でも、渡邉を中心に三次元計測と手計測(計332名)を実施した。これにより、平成26年度~28年度で計3206名のデータを採取することができ、10歳代から70歳代の各年代、男女各100名以上のデータが得られ、現代日本人の身体サイズと体形分析を各年代別に多角的に行うことが可能となった。しかし、計測地域は関東と関西に偏っているため、地域差の検討を行う必要がある。 平成28年度におけるデータ分析は各地域の班別に進めた。研究成果として、石垣、上西、成田、川上、猪又らは28年度5月に開催された日本家政学会で、女性の身体寸法とプロポーションに関する口頭発表を、渡邊、森、小山、十一、森下らは28年度6月に開催された日本繊維製品消費科学会でパンツ用ボディ設計のための成人女性の下半身の3次元形状の解析に関する口頭発表を行った。 また高部と大塚は引き続きISO国内審議委員会に参加し、WG1人体計測法については高部を中心に英国と韓国との調整を進め、FDISの作成まで行った。またWG2の検討に加わった。WG3ではサイズ表作成のための統計解析法に関するフランス提案について検討し、8559-3のISO化に向けて日本としての対応を行った。 さらに高部、大塚、武本を中心にデータの整備を行い、計測班ごとにデータチェックを行い、データベース作成に着手している。これにより日本人の最新の体型分析のデータベースを構築でき、日本のアパレルの新サイズシステムの検討、アパレルの国際化に向けての基礎を確立できる見通しが立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度に大学生と高齢者1494名の計測を実施し、27年度には企業の協力を得て25歳~59歳の社会人984名を計測、熊本と岡山で学生238名を計測、28年度には東京と京都で社会人を対象に490名を計測し、計3206名の人体計測を終了した。当初は大学生と高齢者のみの計測とする予定であったが、多くの企業の協力が得られたため、手計測と三次元計測データのそれぞれにおいて各年代、男女各100名を集めるという当初の目標をも大きく上回ることができた。これにより現代日本人成人男女の体型のデータを確保することができ、データベースの構築のための基礎データを集めることができた。本データを用いて本年度以降JIS衣料サイズの改訂に関する検討、現代日本人の体型データブックの作成と体型分析に着手できる運びとなった。現在、高部、大塚、武本がデータチェックを行い、データベースを作成中である。また,三次元計測データについては渡邉を中心にデータを整備し、ジェネリックモデル作成に向け検討中である。あわせて、各グループによる研究成果報告を日本家政学会、日本繊維製品消費科学会の年次大会で報告することもでき、順調に研究も進んでいる。 企業からの要請の高い最新データ提供のためのルール作り整備もでき、データベースが整い次第、提供できる見通しが立った。 またISOとの整合に関する検討については、大塚と高部がエキスパートとしてISOTC133の国内審議会に参加し、高部が中心に進めたWG1の人体計測法、計測基準点のISO化はFDISまで進んでいる。また、同じくWG2ではバーチャルフィッティングに関する日本提案の議論に加わり、三次元データの活用の方向性を検討した。WG3ではサイズ表作成のための統計解析法に関するフランス提案の分析手法についてその是非を検討した。今後は本データを用いてフランス提案の妥当性について精査する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度には、人体計測データブックの作成を第一目標とする。本データブックを最新日本人身体計測データとして企業や研究機関などに広く提供し、日本人の身体形態に適合する衣服をはじめとする人間生活に関連する様々な製品設計への活用を促進させたい。手計測データについては29年度6月までに高部、大塚、武本がデータの精査を行い、データ解析のためのデータベースを作成する。さらに三次元計測データについては渡邉、大塚、武本を中心に12月までにデータの精査を行う。この三次元データを活用し、日本提案のTC133WG2バーチャルフィッテイングの根拠データとしたい。精査したデータベース、手計測データによる人体計測データブックの作成は6月以降大塚と高部を中心に全研究メンバーで取り組み、29年度中の発行を目指す。日本人体計測データブックは、計測協力企業をはじめ広く公開することを目的に、アパレル設計に不可欠な項目を選定し、20~30項目について、全体および年代別平均値、頻度分布、体型カバー率を算出し、掲載する予定である。また、30年度の完成を目指し三次元データベースによる年代別平均形状を作成し、公表を目指す。 さらに、本データベースを用い、平成30年度の学会発表と学会誌投稿を目指し、メンバー全員で詳細な体型分析に取り組む。手計測データに関してはJIS衣料サイズ改訂の是非の検討と時代差の検討、高齢者と若年者の体形の相違に関する検討を行う。三次元データについては手計測との整合についても検討し、三次元計測に移行しつつある世界の流れに対応すべく検討する。さらに三次元データによる体型分析について多角的に検討していく。前述のとおり本三次元データデータベースによりISOTC133WG2におけるバーチャルボディの作成法についても検討する予定である。 同時にこれらの成果を論文としてまとめ、学会誌への投稿を目指していく。
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Research Products
(27 results)