2013 Fiscal Year Annual Research Report
科学の多様な不定性と意思決定:当事者性から考えるトランスサイエンス
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25242020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本堂 毅 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60261575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 光司 総合研究大学院大学, 学融合推進センター, 教授 (90173236)
関根 勉 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (20154651)
米村 滋人 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40419990)
尾内 隆之 流通経済大学, 法学部, 准教授 (40460026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学的不定性 / 意思決定 / 専門知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,科学・技術が内包する不定性の多様な性質・類型を,科学・医学の現場の営みを通して明らかにし,これを前提とした意思決定のために必要な制度的条件,教育カリキュラム開発などを行うことを目的としている. 本年はこの目的のためのスタートアップとして,自然科学から医学,人文社会科学に及ぶ多様な研究メンバーとの徹底した議論を重ねることで,分野を超えた不定性の類型(普遍性)の解明に必要な,問題意識の十分な共有を行うことができた.これに基づき,臨床医学の場,科学教育の場,および,社会的意思決定の場における不定性に対する専門家,および非専門家の認識の現状を明らかにし,今後解明すべき課題を整理した.それらの成果は,科学技術社会論研究11の特集「科学の不定性と東日本大震災」(玉川大学出版部,2015年3月)の論考において,本堂,吉澤,平田,纐纈らの論考として発表された. また,科学的不定性の存在を前提とした先駆的意思決定手法として世界的に知られるオーストラリアの科学裁判手法である「コンカレント・エヴィデンス」について,その手法の実状を現実の裁判の場において調べるため,および,研究協力者と打ち合わせを行うために,オーストラリアのシドニーを調査・打ち合わせのため訪ね,この手法が裁判の現場で極めて有効に機能していることを確かめた.その結果は,岩波講座第6巻「法と科学の交錯」に収められた論考「科学者からみた法と法廷」で発表した(岩波書店,2014年6月).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,公開研究会の開催が当初予定より1年遅くなった等,若干の遅れがあるものの,それを除く主要な研究実施計画は順調に達成されているため,全体としては概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
上に述べたように,本研究課題は概ね順調に経緯しているため,研究成果として書籍出版のための議論を早めに進め,本研究期間内に出版が完了するよう準備を行うこととする.
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Research Products
(9 results)