2015 Fiscal Year Annual Research Report
東京首都圏における夏季ヒートアイランドと熱的低気圧・局地的豪雨の発生要因解明
Project/Area Number |
25242028
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三上 岳彦 帝京大学, 文学部, 客員教授 (10114662)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 済 日本大学, 文理学部, 教授 (10239650)
日下 博幸 筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (10371478)
高橋 日出男 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (40202155)
赤坂 郁美 専修大学, 文学部, 准教授 (40574140)
平野 淳平 帝京大学, 文学部, 講師 (80567503)
|
Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
|
Keywords | 都市気候 / ヒートアイランド / 気圧 / 豪雨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き首都圏に設置・観測した温湿度・気圧観測システム(広域METROS:温湿度130地点、気圧50地点と東大地震研MeSO-net気圧200地点)、および気象庁レーダーAMeDAS解析雨量データを用いて、熱的低気圧と都市部の局地的豪雨発生のメカニズム解明に向けた研究を実施した。その概要は、以下の通りである。
(1) 2014年度に観測された夏季における気温・気圧データを元に、関東における広域ヒートアイランドと気圧場との関連解析を行った。気圧データの精度検証を行った上で、主成分分析による時空間解析を行い、ヒートアイランド現象との関連を、主に日変化に注目して明らかにした。気圧の観測精度を検討した結果、一部観測点を除き、ヒートアイランド現象に伴う温度差によって生じると考えられる気圧差(0.2~0.3hPa)を検証することが可能であることが確認された。また、気圧変動には日周期の卓越する都心部を中心とした偏差パターンが検出され、夜間から明け方において同領域に顕著に現れるヒートアイランド現象と一致して現れることが明らかとなった。 (2) 夏季20年間の東京都と埼玉県を中心とした184地点の時間降水量資料を用いて、5mm/h以上を示す地点割合の日最大値RMにより局地的(RM≦65%)な強雨(20mm/h以上)の発現日を抽出した。各地点における時刻別強雨頻度のクラスター分析から、都区部西部の局地的強雨頻度は午後(15-16時)と夜半前(22時)に顕著な極大を持つことが明らかにされ、対流活動の日変化に変調が加わっている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
首都圏高密度観測データの整備が順調に進み、それらを用いた多変量解析の結果が得られ、本研究のメインテーマに関連する夏季ヒートアイランドと熱的低気圧の関係が明らかになり、都市部の局地的豪雨の発生要因に関する考察も進みつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、独自に設置した気圧観測データの解析に重点を置いたが、今後は連携する東大地震研MeSO-netの気圧観測データ(200地点)を加えて、より精度の高い解析を実施する計画である。
|
Research Products
(9 results)