2015 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代に対応する21世紀型イスラーム学の構築
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25243004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小杉 泰 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (50170254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東長 靖 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70217462)
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (20611198)
今松 泰 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任准教授 (80598938)
森 伸生 拓殖大学, 付置研究所, 教授 (20349202)
山根 聡 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80283836)
菊地 達也 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (40383385)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イスラーム学 / イスラーム地域研究 / 西アジア・中央アジア / 現代イスラーム / アラビア語原典研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
第3年度目として、全分担者の間で第1~2年度に共有化された主旨・目的・目標等を前提とし、また2年間の研究成果を踏まえて以下の研究活動をおこなった。 ①現代イスラーム思想の原典資料を2年にわたって、サラフィー主義、ジハード主義などを重点分野として、アラビア語文献を中心に収集したが、今年度も、中東現地で大きな動きを見せている政治変動に関連する文献を精選して収集した。さらに、ウルドゥー語文献コレクションの整理も円滑に進んだため、これらの徹底した活用に努め、継続的な調査・解析をおこなった。②イスラーム学の諸分野に関する国内外の研究動向をめぐる研究会を2回、今日的問題群に関する研究会を2回、マレーシア国民大学の研究者との研究打合せ会を1回開催し、多くの有益な知見を得ることができた。③研究の基礎となる「知のインフラ」整備については、<トリリンガル方式>と呼ぶデータ表示の方式を定め、イスラーム学の専門用語集や主題年表の作成作業を大きく推進することができた。④国際的な発信と交流については、マレーシア国民大学との大型の国際シンポジウムをクアラルンプールで、英国ダラム大学との国際ワークショップを京都でそれぞれ開催し、研究成果の一部を国際的に発信することができた。⑤若手研究者の育成については、イスラーム学と関わる研究をおこなっている大学院生が研究協力者として非常に積極的に参加した。また、そのうちの1人が優れた博士論文を完成させ、学位を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全体的に円滑に研究を進めることができたことに加えて、国際的な研究交流について、連携する海外の研究者たちから非常に積極的な協力を得て、充実した活動を展開することができた。また、若手研究者の育成のための活動を非常に効果的な展開をすることができ大学院生たちから熱心な取り組みが得られた。「知のインフラ」整備部門でも大きな進展が見られ、次年度での刊行に向けても、作業が大きく進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
第1~3年目には、すみやかな研究の展開をおこなうことができたので、引き続き研究計画に沿って、しっかりと研究を進めていきたい。また、研究成果の刊行なども推進したい。最近は、中東を中心にイスラーム世界をめぐって大きな政治変動が続いているが、それは本研究プロジェクトの趣旨がまさに現実の動静と合致していたことを物語っており、それらを含めた「今日的問題群」の解析と考察を進めていきたい。そして、それらの成果に基づいて、今後のイスラーム学のあるべき発展に関する方策についても認識と議論を深めていきたい。
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Research Products
(44 results)