2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会的脆弱性/レジリエンスの比較ジェンダー分析-生活保障システム論の新展開―
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25243009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2016-03-31
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Keywords | ジェンダー / 社会政策・社会福祉 / 社会的脆弱性 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
福井県における社会的排除に関するアンケート調査について、2013年度中に回収されたデータの入力および集計(一次集計の全てと一部のクロス集計)を委託し、2014年9月に納品を得た。そのデータを分析チームで検討し、回答者が中高年に偏っている点の補正が必要と判断した。このため経費の一部を繰越し、その経費による調査結果速報の県民報告会を2015年5月に行った。 2014年6月にトリノのCollegio Carlo Albertoにおける Workshop for Comparing East Asian and Southern European Welfare Statesにて報告“Japan, a country where income redistribution deepens poverty”。これは研究成果の中間報告であり、このワークショップに続いて研究協力者の部分会合を開催した。 東日本大震災の被災地をフィールドとする社会的脆弱性の実地調査において、2014年5月に福島にて研究会(福島市)と実地調査(南相馬市小高地区など)を行った。この調査グループから複数人を登壇者として、7月20日には日本学術会議主催学術フォーラム「減災の科学を豊かに―多様性・ジェンダーの視点から」を、第18 回ISA社会学世界会議(横浜会議)災害社会学部会・分科会とともに、実質的に遂行した。同学術フォーラムの内容の一部は、『学術の動向』2015年4月号の「【特集1】減災の科学を豊かに―多様性・ジェンダーの視点の主流化に向けて―」に反映された。 14年9月には日本家族社会学会の公開シンポジウムにて招待報告「日本の社会政策は就業や育児を罰している」、10月には日本協同組合学会大会にて基調講演「「男性稼ぎ主」型の悲惨な現実と脱却の道」を行い、本研究の成果の中間報告とすると共に有益なフィードバックを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国学会の招待報告・基調講演、国際会議での報告などを、予期した以上に依頼された。それらの講演・報告を通じて、本研究の中間的成果を計画以上に発信し、有益なフィードバックを得られた面で、順調だったと考える。 他方で、福井県における社会的排除に関するアンケート調査について、2013年度中に回収されたデータの入力および集計(一次集計の全てと一部のクロス集計)を委託し、2014年9月に納品を得た。そのデータを分析チームで検討し、回答者が中高年に偏っている点の補正が必要と判断した。この作業と点検に1か月半を要したことから、調査結果速報の県民報告会を2014年度内に開催することが現実的でなくなり、経費を繰り越すこととなった。順調なのは「おおむね」と考える理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
福井県における社会的排除に関する大規模アンケート調査結果の速報的な県民報告会を福井県庁と共同開催で2015年5月に実施した。福井県の有識者や県民からのフィードバックを受けて、分析を進める。 5月に東京のカナダ大使館で開催されるJSAC (Japan Studies Association of Canada)の第28回国際大会において、研究代表者と研究協力者の複数人が報告を行う。 研究代表者は、研究成果の中間報告を、6月にデュースブルグ=エッセン大学の博士候補生トレーニングプログラム'Risk and East Asia'(DFG)のワークショップ、8月初旬に京都で開催される世界経済史学会大会、8月29日に開催される女性労働研究会などで行い、フィードバックを得て分析を深める。 東日本大震災の被災地をフィールドとする社会的脆弱性の実地調査の成果の一部を、10月2日に開催予定の国立大学附置研究所・センター長会議の第3部会(人文・社会科学系)のシンポジウムを通じて発信する。
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Research Products
(13 results)