2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25244015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 時雄 京都大学, 人文科学研究所, 名誉教授 (60150249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄 幸子 関西大学, 外国語学部, 教授 (00282963)
道坂 昭廣 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20209795)
藤井 律之 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (50335238)
田良島 哲 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, その他 (60370996)
高橋 智 慶應義塾大学, 付置研究所, 教授 (80216720)
永田 知之 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80402808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 古写本 / 漢籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の写本調査の主体は京都国立博物館の所蔵写本及び同館寄託の上野家所蔵写本であった。まず2014年12月19日に館蔵品である『世説新書』卷6残卷、『玉篇』卷9、『新撰類林抄』卷4、『大唐西域記』卷1、『南海寄帰内法伝』、『大慈恩寺三蔵法師傳』卷6、『続高僧伝』卷28(五月一日経)、『王勃集』卷28、『毛詩正義』秦風残卷、朱熹『論語集注』稿本、『玉篇』卷24断簡、手鑑「藻鹽草」、『広弘明集』卷13(中尊寺経)、『白氏文集』卷3、4を調査し、また2015年3月20日に上野家寄託品の吐魯番写本『三国志・呉志』残卷、『文選』卷1、『漢書・楊雄伝』、『不空表制集』、『白氏文集』卷4、『文選集注』卷48、『注千字文』、『文選』残卷、『文選・弁命論』、『古文孝経』残卷を上野家のご厚意により調査し得た。また同日、京都市所蔵の『毛詩・小雅』(実際には大雅)及び京博館蔵の守屋コレクション『内典隨函音疏』を同時に調査し得たことは幸いであった。 2015年1月29~30日に「敦煌學國際學術研討會・京都2015」を開催した。本科研費プロジェクトとしては、日本写本と敦煌写本との比較をテーマとすることで、共催のかたちででの参加であったが、国内外から50名に近い參加者(うち半数以上は中国をはじめとする外国学者)があり、日本古写本をふくむ古写本に関して活溌な議論が展開された。その成果は次年度に出版予定である。 代表者の高田は湖北省博物館において楊守敬旧蔵写本の調査を行い、原本玉篇に関する重要な知見を得た。これについては再度確認調査を行った上で公表の予定である。 古写本のデータは継続して蓄積されつつあり、2015年3月末の時点で880件の詳細な電子データが確保されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内の写本調査はこれまで順調に進んでおり、データ化についても調査で実見したもの、二次資料からの転記によるものを含めて880件のデータを蓄積しており、将来のデータベース化の基礎が出来つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
国内所藏分については、過去二年間に東京、京都の国立博物館での調査を終えたので、今後は宮内庁書陵部、東洋文庫、靜嘉堂文庫、大東急記念文庫など他の収蔵機関での調査を継続して行う予定である。 また中国をはじめとする外国所蔵分についてはさまざまな困難が予想されるものの、鋭意努力して可能な限り調査を進めたいと考えている。 さらに今後、ニューズレターを継続して刊行したり、ワークショップを開催したりすることで、研究成果の公開および広報に努力したいと考えている。
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Research Products
(15 results)