2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25244018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 勉 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (10215650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 陽子 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20380298)
大石 衡聴 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (40469896)
酒井 弘 広島大学, 教育学研究科, 教授 (50274030)
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10275597)
広瀬 友紀 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50322095)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 事象関連電位(ERP) / 日本語 / 文理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 脳波の一種である事象関連脳電位(event-related potentials, ERP)を指標とした日本語文理解研究の基盤を構築することである。近年, 実証的な言語研究の進展とともにERPを用いた日本語文理解研究が盛んになってきたが, 実験刺激や解析方法が研究者間で共有されていないため, 各研究成果を比較検討することが困難であった。この問題の解決のため, 本研究は統一的な研究基準を設定し, 最終的には, いつ・どこで・誰が実験を行っても同様の結果が得られるような, 「日本語ERP実験キット」を作成する。 本年度は九州大学でワークショップを開催し, 共同研究者らが各研究機関で行ったERPを用いた日本語文理解実験を報告し, 実験手法・分析方法・実験結果解釈時の注意点などについて基準を共有するため議論を行った。また, 統一的な実験システムを構築するために必要となる実験の具体的な内容, 進行スケジュール, および役割分担を協議した。様々な言語現象について体系的な検討を行うため, 実験で呈示する刺激のレベルによって(1)単語, (2)句, (3)文を用いる3つの副研究課題を設け, 各課題について担当研究者を決定した。そして各課題において①最適な刺激, 実験課題, 実験パラメータ(呈示時間など)の決定と, ②言語現象(例 : 名詞と動詞の間の意味的不一致)とそれに対応して得られるERP成分の特定, およびその関係(言語現象-ERP成分)の安定性の検証を行うための実験計画を協議した。その協議内容に従い, 各研究機関において課題に関連した研究知見の収集と本実験に向けたパイロット実験の実施を行った。
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