2015 Fiscal Year Annual Research Report
Historical GIS of castle towns using the old maps of castle towns and the historical data of residents in the 17-19th Century, Japan
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25244041
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平井 松午 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 教授 (20156631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 邦匡 甲南大学, 文学部, 教授 (00420414)
藤田 裕嗣 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10181364)
礒永 和貴 東亜大学, 人間科学部, 准教授 (10201922)
渡邊 秀一 佛教大学, 歴史学部, 教授 (10310509)
田中 耕市 茨城大学, 人文学部, 准教授 (20372716)
出田 和久 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (40128335)
山村 亜希 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (50335212)
小田 匡保 駒澤大学, 文学部, 教授 (70224243)
土平 博 奈良大学, 文学部, 教授 (70278878)
天野 太郎 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (70293933)
上杉 和央 京都府立大学, 文学部, 准教授 (70379030)
南出 眞助 追手門学院大学, 国際教養学部, 教授 (80111904)
川口 洋 帝塚山大学, 文学部, 教授 (80224749)
堀 健彦 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80313493)
小野寺 淳 茨城大学, 教育学部, 教授 (90204263)
塚本 章宏 徳島大学, 大学院総合科学研究部, 准教授 (90608712)
渡辺 理絵 山形大学, 農学部, 准教授 (50601390)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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Keywords | 地理情報システム / 城下町 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題「GISを用いた近世城下絵図の解析と時空間データベースの構築」の研究目的は、1、国立公文書館所蔵の正保城絵図ならびに全国各地に所蔵される近世城下絵図のGIS解析を通じて、従来の城下町研究・城下絵図研究の再検討を図るとともに、2、武家屋敷・町屋に関するGIS城下町図(GISソフトで作成した近世城下町基盤地図)ならびに歴史情報データベースの構築・統合・解析を目指すものである。さらに、3、構築したGIS城下町図および歴史情報データベースを地元研究者へ還元することで、近世城下町研究や地域活性化に寄与することを目的としている。 平成27度は、(1)城下(町)絵図の基礎調査に基づいてGIS分析に用いる城下(町)絵図の解読(記載情報の抽出とデータベース化)と、(2)高精細画像データを用いたGIS城下図の作成を進めた。なお、一部の城下町については引き続き、城下(町)絵図の基礎調査と高精細画像データの作成を行った。また、関係機関に所蔵されている家臣家譜・分限帳・屋鋪帳などの歴史資料、関係する城下町の人口推移や「名所図会」等のデータベース化も進めた。これら一連の作業・調整には、学生や事務補助者による研究補助(謝金)を必要とした。 作業の進捗状況については、9月18日に愛媛大学で開催された2015年日本地理学会秋季学術大会「地図・絵図資料の歴史GIS研究グループ」ならびに本科研メンバーによる研究集会を開催し、情報の共有化を図った。なお、中間成果報告会を兼ねて、2016年日本地理学会春季学術大会に合わせて当研究グループによるシンポジウムの開催を計画していたが、学会日程と科研メンバーとの日程調整が難しかったことから、2016年6月の歴史地理学会日程に合わせて中間報告会を開催することとした。その結果、経費の一部については旅費等として35万円を繰り越した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研課題の申請書では、本研究の手続きとして、自治体や博物館等の学芸員を中心とした地元研究者との共同作業の下に、1)各地に所蔵される多時期・多種類にわたる城下絵図についての比較検討を通じて、城下屋敷割絵図・町屋絵図を活用したGIS城下町データベース、および歴代の家臣家系の職制に関する家譜資料や拝領屋敷台帳(屋敷帳)、職制を記載した分限帳などにもとづく歴史情報データベースの構築を行い、次いで2)それらデータにもとづく城下絵図や城下町構造の検証、侍(武家)居住・土地利用の実態解明を通じて、従来の城下町研究・城下絵図研究の再検討にあたる。研究期間は平成25 年度からの4年間を予定しているが、おおむね、1)については平成25・26年度、2)については平成27・28年度に実施する、としている。 9月18日に開催した研究集会では、大和郡山,新発田、水戸、徳島、松江、佐賀、相馬(中村)の城下町、ならびに名所図会、人口に関する中間成果が発表され、GIS城下町図作成に取り上げられた城下絵図の特徴やGISデータ作成に関わる諸課題について意見交換することができた。なお、2016年3月に開催を予定していたシンポジウムについては日程の関係から開催できなかったものの、科研メンバーからはメール等で中進捗状況を報告してもらった。また、科研メンバーは所属する地理学会等において関連の研究発表を行うとともに、地元開催の講演会などにおいても本科研成果を活用しており、本研究のもう一つ目的でもある地域活性化にも寄与している。こうした点から、本研究課題については、おおむね予定通り順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本申請科研の最終年度にあたる平成28年度は、平成25~27年度に取り組んできた、①研究対象とした城下(町)絵図の歴史情報データベースと、②高精細画像データをベースとしたGIS城下図の統合を図り、全国10ヵ所程度のGIS城下町図の作成を進めるとともに、GIS城下町図をもとに城下町の時空間分析を行い、近世城下絵図・城下町構造の再検証を進める。 また、日程の関係から平成28年3月に開催できなかった研究集会を、第59回歴史地理学会大会(城西大学)に合わせて6月3日(金)に大会会場に近い川越市で開催する。研究分担者・研究協力者が参加予定の研究集会では、各城下町に関する成果報告ならびに9月末の日本地理学会秋季学術大会(東北大学)シンポジウム「近世城下町のGIS時空間分析」(仮称)の開催に向けた打ち合わせを行う。 こうした研究成果については、学会発表や学会誌等への投稿のほか、研究成果報告書・学術専門図書として集約する予定である。また、研究メンバーを中心に調査地である各城下町においても成果報告会を開催し、地元研究者・地域住民に研究成果を還元する。併せて、構築されたGIS城下町のデータ(shapeファイル形式)については、当該地域の博物館等に提供し地域研究の推進に寄与する。
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Research Products
(27 results)