2014 Fiscal Year Annual Research Report
交渉教育のための要素理論の研究-よりよき実践に向けて
Project/Area Number |
25245016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 美明 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (20144420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 一吉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00156762)
奥村 哲史 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00224171)
久保山 力也 早稲田大学, 付置研究所, その他 (00409723) [Withdrawn]
D・H Foote 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10323619)
蓮 行 大阪大学, 学内共同利用施設等, 講師 (10591555)
太田 勝造 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40152136)
大澤 恒夫 桐蔭横浜大学, 法務研究科, 教授 (40535928)
江口 勇治 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 教授 (50151973)
竹内 俊隆 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (60206951)
新田 克己 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (60293073)
平井 啓 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70294014)
仁木 恒夫 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80284470)
森下 哲朗 上智大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80317502)
加賀 有津子 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80335380)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 法学研究 / 法曹論 / 法教育 / 交渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、よりよき交渉実践を支える学際的な教育・研究の基盤形成に向けて、交渉の効果的教育のために交渉の要素を説明する理論を紛争解決学と近隣諸分野から抽出し、さらにその理論を例証するケースを抽出し、これらを総合することによって交渉の要素を分野を超えてわかりやすく説明できる要素理論を明らかにすることを目的とする。
1.説得的なケースの作成:定例研究会を計5回実施し、交渉例を収集整理・分析し、「交渉の7要素」とそれを説明する説得的ケース(Case in Point)を作成した。これらをもとに、研究代表者および研究分担者が①交渉の7要素←②7要素を説明する理論←③7要素と理論を例証する説得的ケースを一覧することができる「要素理論表」を作成するために、定例研究会での検証とWEBサイトでの修正を繰り返した。以上の研究成果は随時、専用WEBサイトに掲載している。 2.教育効果の観点から検証:「要素理論表」をもとに、教育学を専門とする研究分担者を中心に、教育学専攻の大学院生らの協力も得て、交渉の要素の理論的説明が交渉教育・学習のために利用可能かの検証をおこなった。 3.海外調査による比較検証:「交渉の7要素」とそれを説明する理論および説得的ケース、教育効果の観点から検証についての結果をシンガポール・オーストラリア・アメリカでの海外調査によって比較・検証し、研究組織にフィードバックをおこなった。シンガポール・オーストラリア調査においては本研究の要約を示し、またアメリカ調査においては本研究の要約に加えて「要素理論表」の抜粋を英訳したものを示して聞き取りを行った結果、交渉の要素の理論的説明が交渉教育および交渉学習のために有益であること、さらに本研究の成果としての要素理論表が交渉の教育研究に有用であることが検証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研の研究は、研究計画に則りおおむね順調に進展している。その理由は下記のとおりである。 1.研究組織による定例研究会を計5回実施した(開催日:平成26年6月20日、9月13日、12月12日、12月13日、平成 27年3月6日)。昨年度の原則立脚型交渉法の7要素の抽出と海外調査の結果を整理・評価するとともに、交渉の要素を説明する説得的ケース(Case in Point) の収集と作成を行い、研究会における検討結果および各自の研究成果をメンバー専用WEBサイトに掲載した。研究成果は本年度新たに作成した英語版WEBサイトでも公開している。以上により、「説得的なケースの作成」については、おおむね達成されている。また、このケースを組み込んだ「要素理論表」の作成も進行中である。 2. 交渉の要素の理論的説明が交渉教育・学習のために利用可能かの検証をおこなった。 具体的には、「要素理論表」をもとに、研究実績の概要に記載した方法で検証した結果、その有用性が明らかとなった。以上により、「教育効果の観点から検証」については、おおむね達成されている。 3.野村美明研究代表が、平成27年2月26日~3月4日の日程でNational University of Singapore・The University of Western Australiaを訪問、また平成27年9月11日~9月21日の日程でHarvard Law Schoolを訪問し、交渉教育についての意見の聴取や、「交渉の7要素」とそれを説明する理論およびケース(問題)についての比較・検証をおこなった結果、研究実績の欄に記載したような有用性が明らかとなった。以上により、「海外調査による比較検証」について、おおむね達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.年4回の定例研究会: 最終年度となる平成27年度には定例研究会を4回開催し、26年度までの研究を踏まえて、研究目的の中心である交渉の要素・ケースと関連付けられた理論について研究分担者が直接意見交換をする機会を設ける。以上を本研究の計画・方法に従って本研究のWEBサイトでさらに補足し一体化する。これらを要素理論表を中心としたわかりやすいかたちで研究成果を取りまとめる。また、要素理論表の重要部分を抜粋して英訳をし、日本語版とともに本研究のWEBサイトで公表する。 2.教育実践の実施: 研究協力者および研究支援者の協力を得て、学生(高校生、大学生)を対象に教育実践を実施し、交渉の要素の理論的説明が交渉教育・学習のために利用可能かを検証する。 3.セミナーの開催: 研究協力者を交えた情報発信と共有のためのセミナーを開催して、研究体制以外の専門家および市民に対してわかりやすくかつ双方的に伝えることによって、本研究の研究成果を社会に還元する。6月の第1回研究会においてもっとも参加しやすい日程の調整を行う。 4.海外調査による比較検証: 平成26年度は米国、シンガポール、オーストラリアについての調査を行うことができたが、引き続き英語圏諸国および近隣諸国への補足的な海外調査をおこない、上記要素理論表を利用して交渉学およびその近隣分野の研究者にヒアリングを実施し、交渉の要素・ケースと関連付けられた理論を比較検証し、適宜修正する。
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Research Products
(23 results)