2014 Fiscal Year Annual Research Report
ケンブリッジ、オクスフォード、LSEの経済思想と現代福祉国家の変容
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25245032
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
西沢 保 帝京大学, 経済学部, 教授 (10164550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 玲子 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70272771)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済思想 / ケンブリッジ / オクスフォード / 厚生経済学 / 福祉国家 / 自由主義 / 国際研究者交流(米・伊・英・仏・独・豪・伯) / 国際情報交換(米・英・伊・独・仏) |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究成果は、History of Economic Ideas の Special Issue (vol.xxii, no.1) として Nishizawa, Caldari, Dardi 編で“Aspects of the History of Welfare Economics”が刊行されたことである。これはこれまでの西沢と研究協力者Backhouse, Dardi, Caldariらとの共同研究「厚生経済学と福祉国家の歴史的検証」を世界に向けて発表するというものであり、研究成果から6つの論文を選んで編集してある。これとほぼ同時に国内でも『経済研究』(一橋大学)の小特集「厚生経済学と福祉国家の歴史的検証」が刊行され、こちらには関連する研究成果で、4つの論文が含まれている。また平井俊顕監訳『リターン・トウ・ケインズ』(東大出版会・9月刊行)、西沢保監訳『資本主義の革命家 ケインズ』(作品社・8月刊行)も関連する研究成果である。"Liberalism and the Welfare State: from new liberalism to neo-liberalism"の出版準備も進行している。 3月20-22日の3日間、国際コンファレンス(第1部 ‘Welfare economics and the welfare state in historical perspective’、第2部 ‘Globalization and Financial Market’)を一橋大学で行い、海外から15名招聘し合計18のペーパーが報告され、大きな成果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎年、研究計画に即して国際コンファレンスを開催し、国際的な共同研究のネットワークを構築し、その成果も着実に公刊している。平成26年度にも3月20-22日の3日間、研究分担者・後藤玲子教授の協力・協働のもとに一橋大学で国際コンファレンスを行った。イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、ブラジルから15名の研究者を招聘し、合計18のペーパーが報告された。日本の関連研究者を交えて、連日30-40名の参加者があり、議論と討議を深め、国内外の研究者間の積極的な交流・意見交換が行われ、非常に有意義であった。海外の複数の参加者からも高い評価をいただいた。 平成26年度には History of Economic Ideas の Special Issue として Nishizawa, Caldari, Dardi 編で“Aspects of the History of Welfare Economics”が刊行された。『経済研究』(一橋大学)の小特集「厚生経済学と福祉国家の歴史的検証」(4月刊行)も関連する研究成果である。また、平井俊顕監訳『リターン・トウ・ケインズ』(東大出版会)、西沢保監訳『資本主義の革命家 ケインズ』(作品社)も関連研究成果である。Caldari・西沢で進めているマーシャルの未完の手稿 “Progress” に関わる共同論文がEuropean Journal of the History of Economic Thought, 2014 Feb. に掲載されたが、Book Iは手稿群の再構成・校訂注などの作業もほぼ終え、Book II,IIIに進んでいる。"Liberalism and the Welfare State: from new liberalism to neo-liberalism" の出版準備も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に即して、平成27年度の国際コンファレンスの実施準備を進め、これまでの成果を刊行すべく作業を鋭意推進する。 研究協力者の Backhouse、Medema らと緊密に協力し、研究分担者・後藤の協力を得て、国際コンファレンス「厚生経済学史の再検討:厚生観・福祉観の変遷-マーシャル、ラスキンからセンへ」を再度、企画・実施する。厚生経済学・福祉の経済学の歴史における非厚生主義的要因、非市場的な福祉要因を再構成するために鈴村興太郎、塩野谷祐一らの研究協力を得る。 刊行準備を進めている“Liberalism and the Welfare State: from new liberalism to neo-liberalism” を完成するために、Backhouse, Bateman に加えてDieter Plehwe との協力関係を強化する。Caldari・西沢で進めている、マーシャルの “Progress” に関する手稿群の再構成を完成すべく、校訂注の作業を含め、共同作業を進めるため、西沢はイギリスでの調査、イタリアでの共同研究を進める。また、この作業に Dardiの協力・助言を得る。 叢書「ケンブリッジの経済思想」の第1巻『ケンブリッジ学派とは何か』(西沢保・平井俊顕編著)は、ミネルヴァ書房からの出版が決まり、年度内の刊行を目指して準備を進める。西沢は、Backhouse の協力を得て「厚生経済学史の再検討」に関わる英語の書物の出版を企画する。さらに、研究協力者の平井は ‘Globalization and financial market’ に関わる共同研究を推進する。
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Research Products
(36 results)