2013 Fiscal Year Annual Research Report
小児固形悪性腫瘍の非侵襲的診断と新規治療開発のためのトランスレーショナルリサーチ
Project/Area Number |
25253095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20238744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 章 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, センター長 (50117181)
田尻 達郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80304806)
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
家原 知子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20285266)
瀧本 哲也 独立行政法人国立成育医療研究センター, 臨床研究推進室, 室長 (40393178)
大喜多 肇 独立行政法人国立成育医療研究センター, 小児血液・腫瘍研究部, 室長 (50317260)
滝田 順子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00359621)
北條 洋 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (90209213)
菱木 知郎 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 主任医長 (00375776)
木下 義晶 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80345529)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
土屋 邦彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90381938)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 新規バイオマーカー / トランスレーショナルリサーチ / 免疫治療 / 樹状細胞 / 高リスク / 小児がん |
Research Abstract |
1.血液から抽出できる小児がんの新規バイオマーカーの探索。横紋筋肉腫について米国のと共同研究を行い、血清中のmiR-Xのコピー数が、①横紋筋肉腫において他の小児がん検体より高いこと、②胞巣型横紋筋肉腫において、胎児型横紋筋肉腫より高いことを明らかにした。神経芽腫の患者血清由来遊離核酸を用いたMYCN遺伝子増幅の有無を検出するシステムを開発し、韓国と共同して、多数症例での検討を行い、腫瘍と血清での相関をみとめた。2.低・中間リスク小児がん患者に対する副作用軽減を目指した新規療法の開発。低・中間リスク神経芽腫における治療終了後の残存腫瘍の長期的予後を検討し解析した結果、予後に影響を与え無いことを見いだした。3.高リスク小児がん患者に対する新規免疫療法の開発、超高リスク小児がんの病態解明に基づく新規分子標的治療薬開発のための基礎研究・高リスク横紋筋肉腫特異的キメラ遺伝子であるPAX3-FKHR(P3F) のマウス筋芽細胞(C2C12)において発現させ、遺伝子発現変化を網羅的解析し、横紋筋肉腫の造腫瘍性に関与する候補遺伝子を抽出した。横紋筋肉腫の病理学的検索ではJRSG登録例から組織型、骨格筋系マーカー、HMGA2発現、PAX3/7-FKHRの有無、予後を解析し、病理組織型判定基準の標準化と、リスク組織分類作成を行っている。肺芽腫の臨床検体について次世代シークエンサーを用いて新規遺伝子DICER1のBiallelic変異を検出した。本遺伝子の機能解析を行っていGlypican-3(GPC3)由来のペプチドを負荷した樹状細胞を免疫すると,GPC3発現腫瘍の増殖が抑制される。GPC3由来のHLA-A2あるいはHLA-A24拘束性エピトープペプチドを同定し,これらを用いて小児がん患者の末梢血単核球からGPC3ペプチド特異的細胞傷害性Tリンパ球が誘導できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.血液から抽出できる小児がんの新規バイオマーカーの探索と治療層別化への応用性の検証。横紋筋肉腫でのmiRNA検出および、神経芽腫でのMYCN遺伝子増幅の有無の検出については国際共同研究により、多数例の検体を収集でき、概ね順調に進んでいる。 2.低・中間リスク小児がん患者に対する副作用軽減を目指した新規療法(分化誘導療法ならびに癌抑制遺伝子活性化ら)の開発については、低・中間リスク神経芽腫における治療終了後の残存腫瘍の検討にて予後への影響が無いことを見いだしたが、特異的標的遺伝子の検出については検討中である。 3.高リスク小児がん患者に対する新規免疫療法の開発、超高リスク小児がんの病態解明に基づく新規分子標的治療薬開発のための基礎研究については、高リスク横紋筋肉腫の造腫瘍性に関与する候補遺伝子を抽出した。この遺伝子の機能解析を行い、造腫瘍性に関与することを明らかにしつつある。横紋筋肉腫の病理学的検索ではJRSG登録例から多数例を用いて、組織型と遺伝子マーカーを用いた予後解析から、最適のリスク組織分類作成しつつある。Glypican-3(GPC3)由来のペプチドを負荷した樹状細胞による、小児がんの現在第一層試験を計画中である。基礎研究レベルでは神経芽腫のMYCNトランスジェニックマウス用い、新規治療法であるSeV/樹状細胞による放射線併用免疫遺伝子治療の抗腫瘍効果の検討を行い、新規免疫治療を開発中である。
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Strategy for Future Research Activity |
小児がんに関する、わが国の先端的基礎研究を結集統合し、次期臨床試験に実応用できる以下のトランスレーショナルリサーチを推進する。血液から抽出できる小児がんの新規バイオマーカーの探索と治療層別化への応用性の検証については、血清miRNA,血清MYCNの評価を前向き試験として行う計画である。低・中間リスク小児がん患者に対する副作用軽減を目指した新規療法(分化誘導療法ならびに癌抑制遺伝子活性化ら)の開発をすすめる。 高リスク小児がん患者に対する新規免疫療法の開発については、小児固形悪性腫瘍におけるGlypican3ペプチドワクチン療法の第一層試験を勧めていく。神経芽腫におけるSeV/樹状細胞による放射線併用免疫遺伝子治療の検討を進める。さらに、横紋筋肉腫に対する新規免疫治療法の開発を試みる。超高リスク小児がんの病態解明に基づく新規分子標的治療薬開発のための基礎研究については、次世代シークエンサーなど網羅的解析法を用いて、神経芽腫、肺芽腫など治療標的遺伝子の解析をすすめていく。また、年数回の会議を行い、進捗状況を報告するとともに、小児がんの各臨床試験グループとの連携のもと、患者同意検体を用いて、本研究での検体利用を円滑に行う。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Metastatic Neuroblastoma Confined to Distant Lymph Nodes (stage 4N) Predicts Outcome in Patients With Stage 4 Disease: A Study From the International Neuroblastoma Risk Group Database.2014
Author(s)
Morgenstern DA, London WB, Stephens D, Volchenboum SL, Hero B, Di Cataldo A, Nakagawara A, Shimada H, Ambros PF, Matthay KK, Cohn SL, Pearson AD, Irwin MS.
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Journal Title
J Clin Oncol.
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] NCYM, a Cis-antisense gene of MYCN, encodes a de novo evolved protein that inhibits GSK3beta resulting in the stabilization of MYCN in human neuroblastomas.2014
Author(s)
Suenaga Y, Islam SM, Alagu J, Kaneko Y, Kato M, Tanaka Y, Kawana H, Hossain S, Matsumoto D, Yamamoto M, Shoji W, Itami M, Shibata T, Nakamura Y, Ohira M, Haraguchi S, Takatori A, Nakagawara A.
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Journal Title
PLoS Genet
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Biallelic DICER1 Mutations in Sporadic Pleuropulmonary Blastoma.2014
Author(s)
Seki M, Yoshida K, Shiraishi Y, Shimamura T, Sato Y, Nishimura R, Okuno Y, Chiba K, Tanaka H, Kato K, Kato M, Hanada R, Nomura Y, Park MJ, Ishida T, Oka A, Igarashi T, Miyano S, Hayashi Y, Ogawa S, Takita J.
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Journal Title
Cancer Res.
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ewing sarcoma arising after treatment of diffuse large B-cell lymphoma2013
Author(s)
Hiramoto N, Kobayashi Y, Nomoto J, Maruyama D, Watanabe T, Tochigi N, Furuta K, Takeda K, Chuman H, Yagyu S, Hosoi H, Tobinai K.
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Journal Title
Jpn J Clin Oncol
Volume: 43(4)
Pages: 417-21
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Glypican 3 expression in tumors with loss of SMARCB1/INI1 protein expression.Kohashi K, Nakatsura T, Kinoshita Y, Yamamoto H, Yamada Y, Tajiri T, Taguchi T, Iwamoto Y, Oda Y2013
Author(s)
Kohashi K, Nakatsura T, Kinoshita Y, Yamamoto H, Yamada Y, Tajiri T, Taguchi T, Iwamoto Y, Oda Y
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Journal Title
Hum Pathol.
Volume: 44(4)
Pages: 526-33.
DOI
Peer Reviewed
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