2013 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける地域特性を考慮した乳幼児の健康改善モデル構築に関する疫学研究
Project/Area Number |
25257503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 聰 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00342907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上繁 義史 長崎大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (00300666)
吉澤 和子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (20582563)
後藤 健介 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60423620)
松山 章子 長崎大学, 国際健康開発研究科, 教授 (70404233)
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Project Period (FY) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 地域疫学 / 開発途上国 / 生体認証 / 母子保健 / 栄養疫学 |
Research Abstract |
国際社会をあげてのアフリカの健康問題解決に向けての動きが加速している。各種支援が辺縁の地域に至るまで展開されているものの、健康問題の実態は、未だ不明な点が多い。中でも問題となっている乳幼児の健康の実態を明らかにすべく、ケニアの辺縁地域(Kwale地区)における5歳未満乳幼児の健康状態・栄養学的改善を目指したコホートを設置し、離乳期の鉄の摂取不足、幼児期の亜鉛、ビタミンB12の不足による貧血、慢性的な低栄養状態の改善を目指した疫学研究を目指す。また、人類学的に、産褥期の母親の食事制限、完全母乳からの離脱、乳幼児下痢症への不適切な対処など、地方特有の考え方・文化に従い行われている行為等について、明らかにし、それらの結果から、地域の文化と環境に配慮した栄養摂取と下痢への対処に関する地域と母親への教育介入研究へと展開することを、アフリカでの調査を容易にする最新技術の導入も試みながら、新しい保健対策研究モデルの構築を最終目標に開始している。平成25年度は、1.調査地域での巡回調査団に向けた5歳未満の乳幼児・並びに妊婦登録に向けた地域との調整、2.調査研究開始に当たり、ケニア中央医学研究所との調整、研究計画書の倫理委員会への提出、3.長期追跡調査となる事から、個人を同定し、調査情報の紐付けするための静脈認証装置を用いた個人同定システムならびに調査情報の管理システムの開発を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年10月末日、追加での採択通知を受け、その後、国内分担研究者並びにケニア側研究者との調整を再開し、研究計画の調整等を行ったこと、ケニア国内での地域研究を行うに当たっての、ケニア国内の倫理審査承認、地方行政・地域住民との調整等、研究開始までの作業を多く要し、追加採択による研究開始が遅れた分、研究の展開が遅延している。しかし、追加採択時点を開始時点と考えれば、計画自体に遅れは生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の計画としては、1.調査地域を20から30区画に分けた巡回調査の開始に向けて、調査地域に住むすべての5歳未満乳幼児ならびに妊婦の把握、5歳未満の乳幼児の栄養学的調査、乳幼児の育児調査のパイロット的試行をおこなう。2.母親の育児・乳幼児ケアに関する人類学的調査を行い、介入プログラムに組み込むための情報を収集する。3.個人を同定し、調査情報の紐付けのための静脈認証装置を用いたシステムを稼働させる。4.調査地域で問題があるとされるアフラトキシンの乳幼児の発育への影響も評価するの4点である。 以上の調査から得られた情報から、後半に実施する母親への教育的介入に向けての計画をたて、実施に向けて調整を継続する。
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Research Products
(5 results)