2015 Fiscal Year Annual Research Report
大規模で非定常な時系列・時空間データのモデル化とその推定・検定・予測法の研究
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25280005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 安昌 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10301590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 春航 琉球大学, 理学部, 准教授 (00264466)
栗原 考次 岡山大学, その他の研究科, 教授 (20170087)
柿沢 佳秀 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30281778)
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
丸山 祐造 東京大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30304728)
生川 雅紀 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30588489)
西井 龍映 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40127684)
高橋 邦彦 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50323259)
矢島 美寛 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70134814)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 時空間データ / 非定常性 / ベイズMCMC法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の主要な行事は、London School of Economics and Political ScienceよりPeter Robinson教授を招待し、平成27年12月8日および同年12月11日に東北大学大学院経済学研究科において会議を開催したことである。12月8日には"Conference to welcome Professor Robinson"と題して、Robinson教授および3人の研究者が時空間統計学の成果を発表して主に時空間モデルの新しい推定法について活発な議論を行った。12月11日には"Recent Progress in Time Series and Related Fields"と題して、Robinson教授をはじめ学内外より9名の研究者を招き、時空間データにおける因果性の検出法について成果を発表し、因果性検出のための時空間モデルの有効性について意見を交換した。 両会議における成果発表と意見交換により、大規模で非定常な時空間データのモデル化を進める2点の重要な成果をあげることができた。まず1点は、非定常性を表現するための既存にはない新しいモデルの構築法を空間非定常性の表現に応用することができたことである。次に、非定常モデルを推定するために、従来の最尤推定にとどまらず、パラメータに事前分布を導入してベイズMCMC法による推定を開発し同定できる時空間モデルの範囲を大きく広げることができたことである。以上の2点の成果により、大規模非定常性な時空間データのモデル化を大きく発展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空間非定常性をモデル化することに成功し、標本数が数万を超えると想定される大規模なデータに対して応用可能な推定方法をベイズMCMC法によって考案することができたからである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までで構築した非定常時空間モデルとその推定方法を大規模なデータに応用して実証研究を行うことが今後の主要な研究推進方策である。具体的には北米大陸全体の降雨量を記録している時空間データに本研究で開発した時空間モデルを応用し、特に空間非定常性を検出すること、北米大陸降雨量の空間トレンドを推定すること、の2点を実行し、降雨量の観点から自然環境問題の現状と対策を分析していく。
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Causes of Carryover |
共同研究者の一人である矢島美寛氏を平成28年度より東北大学大学院経済学研究科客員教授として東北大学に招聘し、共同研究をじっこうするための費用とするため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
矢島美寛氏の旅費・宿泊費・謝金として計上する。
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