2013 Fiscal Year Annual Research Report
作業パフォーマンスを左右する脳内準備メカニズムの解明
Project/Area Number |
25280053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山岸 典子 独立行政法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (50395125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知心理 / fMRI / MEG |
Research Abstract |
同じ人が同じ作業をやる時でも、ある時はうまく出き、ある時はうまく出来ない。この様な作業結果の違いは、作業を行った時の注意や準備状態に大きく左右されている。注意はその重要性が古くから知られ、広く研究が進められている。しかし、準備状態の研究はほとんど手が付けられていないのが現状である。本研究では応募者が近年開発した「準備内観報告パラダイム」による行動実験の知見に基づき(Yamagishiら2010)、準備状態の進行過程の神経メカニズムを明らかにすることを主目的とする。平成25年度は「準備レベルが進んで行く過程に対応する神経機序の解明」を開始した。時間解像度の高いMEGと空間解像度の高いfMRIの両方の機材を用い、被験者が視覚課題に対して準備を進める過程の脳活動を測定し、階層ベイズ法(Satoら2004)を用いることでこれらのデータを融合し、被験者ごとに各脳部位でのミリ秒単位の神経活動を推定した。注意などの認知過程は特定の周波数の同期性を変化させることがわかっているため(Wordenら2000)、本研究においても推定された脳活動を周波数成分に変換して解析を行った。具体的には、推定された周波数パワーをモデルに当てはめ、モデルのパラメータを推定し、準備が十分になる時点の推定を行った。この時点と実際に準備が十分であると報告された時点の相関係数を領域ごと、周波数ごとに、モデルごとに計算し、準備レベルが進んで行く過程が、特定の脳部位や周波数でどのように(どのモデルのように)表現されているかの検証を行った。申請書作成時の初年度の計画をほぼ完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた有期補助員を募集したものの、適任者がみつからなかった。しかし短時間技術員は公募の結果、一名を確保することができた。これにより、おおむね予定していた実験を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、昨年採用ができなかった有期補助員の確保ができたことから、予定どおり実験、解析ができるものと予想される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費として有期補助員を計画していた。公募を数回したものの、適任者がみつからなかったため、有期補助員分の人件費が未使用となった。短時間技術員は公募の結果、一名を確保することができたため、7ヶ月分の給与が発生している。 平成25年度に適任者がみつからなかった有期補助員が、平成26年度は確保ができたことから、有期補助員一名の12ヶ月分の給与として使用する。
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