2014 Fiscal Year Annual Research Report
ノンパラメトリックベイズ法のセミパラメトリックモデルへの拡張とその応用
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25280083
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
池田 和司 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10262552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作村 諭一 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (50324968)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ノンパラメトリックベイズ法 / セミパラメトリックモデル / 運転行動モデリング / システム生物学 / 風況予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,変分ベイズ法およびMCMC法を利用したノンパラメトリックベイズ法をセミパラメトリックモデルに適用し,実問題でその有効性を実証することである.25年度は,実データに基づくデータドリブンモデルの構築と基本的機械学習技術に基づく理論ベースモデルを構築する予定であった. データドリブンモデルの構築については,運転行動モデリングと神経軸索伸長モデルを対象に行った.また十姉妹の歌のデータも入手できたので,そのパイロット実験も行った.運転行動モデリングについては,ノンパラメトリックベイズ法の一種であるBP-AR-HMMを用いてモデリングを行った.その結果,従来のHMM,AR-HMM,HDP-AR-HMMに比べ,優れた予測性能を示すことが確認された.神経軸索伸長については,不良設定問題となる線形回帰モデルでモデリングを行い,いくつかの回帰手法を試すことで,神経軸索伸長に関与するキナーゼの特定を行った.その結果,PLS (部分最小二乗回帰) などで予測性能が高く,キナーゼの特定にも成功することが示された.十姉妹の歌についてはノンパラメトリックベイズ法によるモデル化を終えたところである. 理論ベースモデルについては,風況予測を対象としたモデリングを行った.風況はワイブル分布でよくモデル化できることが知られているため,気象庁AMeDASよりデータを収集し,その予測法を提案した.計算機実験の結果,従来法よりも予測精度が向上することが確認された.現在は,ワイブル分布に撹乱パラメータを導入し,セミパラメトリックモデルで推定を行うことを検討しているところである. 上記の結果は,国内外の会議・シンポジウム・ワークショップで発表しており,さらにジャーナルにも投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,変分ベイズ法およびMCMCを利用したノンパラメトリックベイズ法をセミパラメトリックモデルに適用し,実問題でその有効性を実証することである. データドリブンモデルの構築については,昨年度から実施している運転行動モデリングおよび十姉妹の歌のノンパラメトリックベイズ法によるモデル化について,さらにデータを増やすことでそれぞれ工学的および理学的な見地からの有効性を高め,論文投稿の準備をしているところである. 一方,理論ベースモデルの構築については,ワイブル分布に撹乱パラメータを導入しセミパラメトリックモデルで推定することを試みた.その結果,ワイブル分布はこの方法では推定できないことが判明した.対数正規分布などならば推定できることもわかった.さらに,ロバストな推定をすることができる評価関数のクラスの導出にも成功した.これらの成果はジャーナル論文および国際会議論文として採録され,さらに進展した結果をジャーナルに投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では,ノンパラメトリックベイズ法を用いた応用問題について,撹乱パラメータを導入することには成功していない.これは,現在対象としている問題ではモデルが複雑になりすぎて実用性に欠ける可能性があるからである.そこで今後は,特定の応用先にとらわれず,できるだけシンプルなモデルでノンパラメトリックベイズ法における撹乱パラメータの導入を試みる. 一方で,ノンパラメトリックベイズ法の有効性は多くの応用例で確認されてきた.そこで,新たに応用できそうな分野があれば,今後も積極的に本研究に取り込んでいく予定である.
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Causes of Carryover |
予定していたポスドク研究員が雇用できなくなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はポスドク研究員を確保できているので,その人件費とする.
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