2013 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティメディアからの知識抽出に基づくソーシャルキャピタルの変容過程の解明
Project/Area Number |
25280110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 哲司 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70396117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 洋平 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (00348468)
手塚 太郎 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (40423016)
若林 啓 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (40631908)
寶珍 輝尚 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00251984)
斉藤 和巳 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
池内 淳 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (80338607)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソーシャルキャピタル / 知識発見・知識抽出 / 機械学習 / 信頼と規範 |
Research Abstract |
リアルとサイバー複合空間におけるソーシャルキャピタル(社会関係資本)の形成過程,並びにその変容過程を解明することを目的に、本年度は、広く利用が進んでいるツイッターなどのコミュニティメディアを対象に以下の研究を推進した。 1.大量に収集したツイッター記事集合を対象に、リアル世界での生活を支援する実生活知識の抽出手法、投稿者のユーザプロファイリング手法、更には、コミュニティの分離・抽出のためのMDSR(Multi-Directed-SR)手法などを提案し、提案手法の有効性を実践的に検証した。また、生活に密着した大量のレシピ(クックパッドのデータ)を用いて、調理レパートリーを効果的に拡大する体系的なレシピ推薦法を提案した。ソーシャルキャピタルの形成と変容過程の解析に有用な、時系列データを扱うカーネルを新たに定義し、それに基づくカーネル法による学習手法を検討した。 2.コミュニティメディアでは、今までに無かった概念や実体を表す複合語が多数出現するため、辞書を必要としない、統計的テキストセグメントモデルに基づく教師なし学習モデルを考案し、フレーズやチャンクを抽出する手法を提案した。また、機械学習の精度を飛躍的に向上するには、学習に使用する特徴量の洗練が不可欠であることから、実用的レシピの判別に有用な特徴量、ツイッターのコミュニケーション表現に有用な特徴量、印象の判別に基づくイラストレータ検索のための特徴量など、高次の特徴量について検討を進めた。 3.テキストの文体などの表現が信頼の醸成に与える影響を明らかにすることを目的に、コミュニティQAにおける回答文の客観的評価値とベストアンサー等で与えられる主観的評価値の差に着目して検討を進め、一部の例外を除いて客観的評価値を推定できる見通しを立てることができた。また、全国13大学の大学生を対象にツイッターの利用行動と規範意識の比較調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソーシャルキャピタルを構成するネットワーク、信頼、規範の3要素それぞれについて、当初計画した内容に沿って、ほぼ順調に研究は遂行できている。チャレンジングなテーマとして掲げた機械学習の新たな進展に関しても、その橋頭堡を築くことができており、今後の展開によっては予断を許さないところではあるが、平成25年度はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の取り組みを各課題毎に継続するとともに、課題間で連携した取り組みを行う。 1.提案したMDSR法に対し、ユーザ間の「信頼」や「評判」が形成される過程のモデルを組み込み高度化することで、さらに多様な特性を備えたコミュニティの分離・抽出手法に取り組む。時系列パターン解析に関する研究では、現在検証している関数空間への埋め込みによるカーネルだけでなく、編集距離に基づくカーネルなど幅広く検討していく。理論的な分析に留まることなく、実データを用いた検証によって実践的な手法を構築していく。 2.機械学習を階層化することで、精度の向上あるいはユーザが関与しやすい半教師あり機械学習手法の確立に取り組む。文章構造の推定をより詳細化することで、信頼や評判を評価するために有効な特徴量を抽出する手法を検討する。ツイッター上のリプライによって行われる会話の解析手法を考案し、利用者間の関係性の詳細な分析をめざす。 3.ソーシャルキャピタルが効果的に形成されるであろうドメインとして図書館を取り上げ、ソーシャルメディアの利用実態、および、業務における位置付けに関する調査を実施する予定である。また、コミュニティQAの回答文の客観的評価値の信頼性を検証し,信頼性の高い客観的評価値のみを使用することで、回答文の客観的評価値の推定精度の向上を図る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年4月4~9日スペイン バルセロナで開催された国際会議(CSEDU2014)に参加するための旅費を仮払いで計画していたが、事後の精算払いとしたので2013年度内の使用とならなかった。 海外および国内で開催される学術会議で研究成果を発表するための会議参加費および旅費が主な使途である。50万円以上の物品を購入する予定はない。
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Research Products
(34 results)