2014 Fiscal Year Annual Research Report
視覚文化におけるデザイン資源の総合的分析:デザイン学研究方法論の構築をめざして
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25282002
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
井口 壽乃 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00305814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 幸子 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10323883)
伊原 久裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20193633)
井田 靖子(菅靖子) 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (20312910)
山本 政幸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80304145)
暮沢 剛巳 東京工科大学, デザイン学部, 准教授 (80591007)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視覚文化 / デザイン資源 / デザイン学 / 情報デザイン / メディア / デザインアーカイヴ / デザインミュージアム / 知的財産権 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)研究2年目にあたる本年度は、昨年度に引き続き、国内外のデザイン・アーカイヴおよび美術館、国際展の現状を重点的に調査し、資料収集にあたるとともに問題点を分析した。国外のアーカイヴでは、スミソニアン美術アーカイヴ(井口壽乃)、ニューヨークのコロンビア大学図書館(分担者:山本政幸)、ブライトン大学デザイン・アーカイヴ(分担者:伊原久裕)、ヴェネチア・ビエンナーレ建築展(分担者:暮沢剛巳)を、国内では新潟県立近代美術館、CCGA現代グラフィックアート・センター(分担者:暮沢剛巳)、多摩美術大学美術館(分担者:山本政幸)、武蔵野美術大学美術館・図書館(井口壽乃)にて調査を実施した。 2)国内外のデザインアーカイヴに関する現状と課題についての情報交換をはかるために、イギリスのブライトン大学デザインアーカイヴよりキャサリン・モリアーティ教授、武蔵野美術大学美術館・図書館より本庄美千代氏、DNP文化振興財団より木戸英行氏を招聘して、シンポジウム「デザイン資源の現状と未来」(平成26年11月22日、於:東京国立近代美術館講堂)を開催した。さらに、シンポジウムでの各パネラーからの報告と議論に、研究代表者と研究分担者の報告を加え、『デザイン学研究特集号:デザイン資源研究』(日本デザイン学会)として編集・出版し、デザイン研究者およびデザイン関係アーカイヴをもつ美術館などに配布した。 3)分担者:児玉幸子はデジタル技術を用いたメディアアートの知的著作権に関して、著作権問題の専門家と意見交換を行った。 4)分担者:山本政幸は株式会社竹尾が所有する約3,200点のポスターコレクションのデータベース作成に向けた版式調査を定期的に実施、歴史的ポスターを活用するためのデザイン資源の構築作業をおこなった。その成果の一部を公開するものとして、《サイケデリック・ポスター:ロック音楽とグラフィックデザイン》展(東京・神田)を企画した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に予定された調査は概ね実施できた。昨年度の調査の過程で意見交換し、研究協力を仰ぐことのできたブライトン大学デザイン・アーカイヴ、武蔵野美術大学美術館・図書館、CCGA現代グラフィックアート・センターより専門家を招聘して、シンポジウムを実施したことで、研究代表者と分担者が実施した調査・研究内容について、情報交換がはかれ、今後の研究方法と方向性がより明確になった。国内の美術館や大学、企業にそれぞれに構築されているデザイン・アーカイヴの相互の連携はなく、データベースや公開のレベルもそれぞれ大きな差があることがわかった。公開シンポジウムの報告として、デザイン学会誌『デザイン学研究特集号』(第86号)を出版し、デザイン・アーカイヴスの現状と活用の必要性について、国内のデザイン研究の関係者の間で認識が高まったと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の前半までに収集した「視覚文化におけるデザイン資源」をカテゴリーごとに分類し、資源となりうる膨大な情報について、デザインの思想と技術の面から分析をすすめる。 平成27年度は、昨年度までの研究成果を国際デザイン学会連合国際会議IASDR(11月、ブリスベン)、および日本デザイン学会(6月、千葉大学)にて研究発表を行う。 最終年度である平成28年度には、研究のまとめと公表として「デザイン資源」展(多摩美術大学美術館)の開催を計画している。研究代表者と分担者はそれぞれ論文を執筆し、論文集(カタログ)として編集・出版を計画している。
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Causes of Carryover |
今年度、購入予定の古書資料が入手できず、また、画像資料の複写作業を次年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)アメリカの1940年代のデザイン学校関係資料『New School for Social Research Art Classes』を購入を計画している。 2)ファッション雑誌『Herper's Bazaar』『Vogue』に掲載されたファッション・広告写真の画像複写作業を行う。
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Research Products
(11 results)