2013 Fiscal Year Annual Research Report
カロテノイドの炎症制御機構に着目した高機能型食品創出のための研究開発
Project/Area Number |
25282017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 嗣人 金沢大学, 脳・肝インターフェースメディシン研究センター, 准教授 (60397213)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カロテノイド / 炎症 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 / 脂肪肝 / 肥満 |
Research Abstract |
身近な食品素材で体内吸収が良く、強い抗酸化作用を発揮するカロテノイド系化合物の炎 症抑制作用に着目し、慢性炎症を病態基盤とするメタボリック症候群や脂肪肝炎の予防効果を基礎的研究とヒト臨床試験の両面から明らかにすることを本研究の目的としている。平成25年度は、脂肪組織や肝臓に炎症が惹起され、メタボリック症候群または脂肪肝炎を自然発症する新規モデル動物(自然発症モデル)としてノックアウトマウスの作成を行い、その表現型を解析した。この開発したモデル動物では、体重の増加に伴い、脂肪組織のマクロファージの浸潤が増加し、メタボリック症候群・糖尿病の表現型を有していること、肝臓のマクロファージ/クッパー細胞の数が増加し、炎症惹起性M1へと極性が変化しており、脂肪肝炎の表現型を有していることが明らかとなった。 β-クリプトキサンチンとアスタキサンチンという二つのキサントフィル類カロテノイドは、食餌性肥満モデルや脂肪肝炎モデルにおいて脂肪組織や肝臓のマクロファージの量を減少させること、また、マクロファージの極性を炎症抑制性M2にシフトすることにより、脂肪組織や肝臓の炎症が軽減し、インスリン抵抗性、糖尿病、脂肪肝炎を抑制することを明らかにした。 また、脂肪肝炎患者に対するアスタキサンチンの有効性と安全性をヒト介入臨床試験(金沢大学倫理委員会承認済み)を開始した。被験者として脂肪肝患者をリクルートし、プラセボ群とアスタキサンチン群の2群に割り付けを行い、書面による同意取得を得て、介入試験を開始し、被験者のエントリーは順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
基礎研究ではモデル動物の作成とその表現型の解析、また、カロテノイドの炎症や糖脂質代謝への効果を解析し、一定の研究成果を得た。臨床研究は試験がすでに開始されており、次年度以降、解析を行うことが可能な状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は順調に進捗しており、次年度以降は、炎症への作用をフローサイトメトリーによる免疫学的解析を中心に進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験のための消耗品がわずかに余剰となった。 次年度継続する動物実験の消耗品として使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Histidine augments the suppression of hepatic glucose production by central insulin action2013
Author(s)
4. Kimura K, Nakamura Y, Inaba Y, Matsumoto M, Kido Y, Asahara S, Matsuda T, Watanabe H, Maeda A, Inagaki F, Mukai C, Takeda K, Akira S, Ota T, Nakabayashi H, Kaneko S, Kasuga M, Inoue H
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Journal Title
Diabetes
Volume: 62
Pages: 2266-2277
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Proteasome dysfunction mediates obesity-induced endoplasmic reticulum stress and insulin resistance in the liver2013
Author(s)
6. Otoda T, Takamura T, Misu H, Ota T, Murata S, Hayashi H, Takayama H, Kikuchi A, Kanamori T, Shima RK, Lan F, Takashi Takeda T, Kurita S, Ishikura T, Kita Y, Iwayama K, Kato K, Uno M, Takeshita Y, Yamamoto M, Tokuyama K, Iseki S, Tanaka K, Kaneko S
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Journal Title
Diabetes
Volume: 62
Pages: 811-824
DOI
Peer Reviewed
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