2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較に基づいた情報リテラシーに関するオントロジーの構築と目標の分類
Project/Area Number |
25282031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加納 寛子 山形大学, 基盤教育院, 准教授 (70369601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古崎 晃司 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00362624)
長谷川 元洋 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (80350958)
菱田 隆彰 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (30329627)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学教育 / 情報基礎 / 情報リテラシー / オントロジー |
Research Abstract |
サイバー犯罪やネットいじめなどの社会的背景を踏まえ,多方面から情報リテラシーに関する文献の収集と整理をした。そして、「情報」を「現象や事象等すべての存在に意味を付与して伝達するもの」と定義し,「情報的な見方・考え方」とは,「様々な現象や事象等を解釈し意味を付与し,場面に応じて適切に判断・処理する見方・考え方」と定義し,「情報リテラシー」とは,「情報的な見方考え方を身につけ,現象や事象等を適切に解釈し意味を付与し,分析し,判断し,表現および伝達する能力」と定義した。そして,文部科学省検定教科書高等学校「情報」の用語についてKH Coderを用いて分析を行った結果,頻出キーワードは情報,インターネット,通信,データ,コンピュータ等であり,用語の出現パターンより共起ネットワーク図を作成し, 「情報とメディア」「情報通信ネットワーク」「ディジタル情報の表現と活用」「情報モラル」の4領域の用語に分類された。しかし、現行の高等学校の教科書では、「情報分析」に関する内容など、必要だが網羅されていない項目を追加し、再構成し直し、情報リテラシーを 「問題解決」「情報通信」「情報機器の操作」「情報モラル」に,「情報分析」に分類し、オントロジーの構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報リテラシーの文献にあたり、議論をした上で、情報リテラシーを 「問題解決」「情報通信」「情報機器の操作」「情報モラル」に,「情報分析」に分類し、オントロジーの構築に着手できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
情報リテラシーに関するキーワードを整理し,日本語と英語による情報リテラシーのオントロジーを構築する.各国を訪問し,特に日本との相違点が高かった内容に関する情報リテラシー教育の視察を行い,相違点が生じた背景や理由探り,共通理解を図り,オントロジーの最終版を完成させる.海外との相違点や,サイバー犯罪などの社会的背景を踏まえ,21世紀の子どもたちが身に付けなければいけない情報リテラシーの目標を検討する.目標の分類及び枠組みの明確化に際しては,B.S.ブルームの目標の分類学を参考にし,情報リテラシーに関する目標を明確にする. 文献調査やメール等のやりとりでは明らかにならなかった問題点を解決するために,各国を訪問し,特に日本との相違点が高かった内容に関する情報リテラシー教育の視察を行い,相違点が生じた背景や理由探り,共通理解を図り,オントロジーの最終版を完成させる. 海外との相違点や,サイバー犯罪などの社会的背景を踏まえ,21世紀の子どもたちが身に付けなければいけない情報リテラシーの目標を検討する.目標の分類及び枠組みの明確化に際しては,B.S.ブルームの目標の分類学を参考にし,情報リテラシーに関する目標を明確にする.目標を各研究協力国と協議し,B.S.ブルームタキソノミーをベースにの発達段階に応じた目標に分類する.いずれの国も重要と判断した目標は,コア・グローバール・スタンダード目標とし,一部の国のみが重要と判断する目標は,オプション・グローバル・スタンダード目標とする. 情報リテラシーに関する目標を,教師と学生が相互にチェックできるシステムの開発をおこない、開発したシステムを用い,各協力国の学生及び教師に調査依頼を行い,国ごとの情報リテラシー目標の達成度の違いを比較分析する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末にあと1回打ち合わせを予定しており、そのための予算を保留にしていた。しかし、全員の日程を合わせることが難しく、年度末はスカイプによる簡単な打ち合わせ会議に切り替え、オントロジーの修正作業に関する打ち合わせは翌年度に持ち越したため。 オントロジーの修正作業は、スカイプでは困難である。昨年度全員が分担して作成したオントロジーの修正作業を、2014年5月末に山形大学にて行うことを予定している。
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