2013 Fiscal Year Annual Research Report
近世日本の科学史史料ならびに自然災害史料の総合的研究
Project/Area Number |
25282064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 賢一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90323873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 舞子 大阪大学, 適塾センター, 研究員 (20637269)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学史 / 近世史 / 自然災害史 |
Research Abstract |
今年度は、以下の1件の口頭発表を実施し、2本の論文、1本の総説記事を執筆した。 [論文](1)佐藤 賢一「「石塚六郎兵衛算術」―和算家の算術修行日記」、『科学史研究』、No. 266(2013)、pp. 92-100./(2) Ken'ichi Sato, “Surveying in Seventeenth-Century Japan: Technology Transfer from the Netherlands to Japan,” HISTORIA SCIENTIARUM, Vol.23 (2013), No.2, pp. 92 - 112./[総説](3)佐藤賢一 「科学研究費「近世日本の科学史史料ならびに自然災害史料の総合的研究」の紹介」、『科学史研究』第52巻(2013)、No.267. pp. 129 - 133./[口頭発表](4)佐藤賢一 「海図からみる震災―牡鹿半島を中心として」、東京大学史料編纂所共同研究報告会、2014年2月 (1)では、近世の和算家の旅日記を翻刻紹介し、当時の数学者の活動や環境を話題にした。(2)では測量術に関係する資料のうち、海外の技術に由来する物を採り上げて、その伝来経路について議論した。(3)は本研究課題の概要を紹介し、田中芳男関係資料の全体像を話題とした。来年度以降も、田中芳男資料については、分析を進めていく予定である。(4)では、明治初期に描かれた三陸沿岸の海図を分析し、三陸大津波の被害を受ける以前の地理情報を把握し、紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の達成状況については、前述した「研究実績の概要」に挙げた成果をはじめとして、課題初年度の準備として必要な情報を今のところ十分に達成している。 特に、幕末から明治期の環境情報を大量に記載する、田中芳男関係資料(東京大学総合図書館所蔵)の調査分析は順調に進んでいる。最終年度の成果公開に向けた準備作業としては、目標以上に関係資料の読解も進んでいる。 また、宮城県図書館と他の公立図書館において、災害関係資料の調査も随時実施し、地方自治体単位での情報集約をした上で成果としてまとめる目処も25年度中に立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度以降の本研究課題の推進方策は、 (1)田中芳男関係資料の調査分析を継続、(2)公立図書館(宮城県図書館・岩手県立図書館・福島県立図書館・他)での災害関係資料の調査分析の継続、(3)近世以前の人々の「天変地異」概念を明らかにするための資料探索と調査を実施する。 以上の方針に加えて、随時必要な資料の購入と複写作成、資料修復を実施する。最終年度には論文または単著の形で総合報告を行うことを目標とする。
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Research Products
(5 results)