2014 Fiscal Year Annual Research Report
近世日本の科学史史料ならびに自然災害史料の総合的研究
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25282064
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 賢一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90323873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 舞子 大阪大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (20637269)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 科学史 / 近世史 / 自然災害史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実績については以下の通りである。 (1)東京大学総合図書館所蔵の田中芳男関係史料の調査を前年度に引き続いて実施し、『諸国産物調査』全8冊の複写を作成し終えた。この史料について、本文文字の翻刻作業を開始し、史料全体の概要をとりまとめる作業にも着手した。この田中芳男関係史料の調査については、当該研究期間中継続して行うことを予定し、他のタイトル『物産宝庫』、『捃拾帖』にも調査範囲を拡張する。また、最終年度にそれらの概要報告を行う予定である。 (2)自然災害史方面の調査研究については、2014年7月に開催された日本科学史学会生物学史分科会において口頭発表、佐藤賢一「災害歴史記録とローカル・ナレッジの形成」を行った。同発表の概要を、『科学史研究』No.272(2015年1月)に掲載した。内容は、自然災害史の基本的な情報源である自治体史(宮城県内の市町村)の記載を総覧し、一例として過去の津波記事の叙述内容を分析した。次年度も引き続き、この方針で史料の探索を住める予定である。 (3)近世日本科学史全般の調査研究については、口頭発表として1件、①佐藤賢一「美作国中村家の和算史料について」(日本科学史学会、2014年5月24日、酪農学園大学)実施したことと、著書1冊、②佐藤賢一『仙台藩の和算』(南北社、2014年12月)を上梓した。①については、現在の岡山県津山市内で活動した江戸時代後期の和算家である中村氏の新出史料群について解説を行った。②については、江戸時代の仙台藩で研究された和算の実態を通史の形でまとめた著作である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」においてまとめたとおり、3つの主題について研究活動を実践した。いずれも、滞りなく史料の調査収集に取り組み、それぞれのテーマでの発表も実施した。口頭発表2件と総説1本、著書1冊の成果としてまとめたことで、年度内の研究実績としては順調な研究経過であると判断するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度と28年度において、前年度からの継続すべき主題(田中芳男関係史料の調査、他)を追究するとともに、これまで購入した各種史料の整理補修にもつとめる。本研究が終了した後に、それらの史料情報を成果の一部として公開するためである。また、史料の翻刻作業の比重が大きくなるので、この作業に必要な補助員を投入する予定である。
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Research Products
(4 results)