2013 Fiscal Year Annual Research Report
鏡像運動を支援する簡易型上肢訓練ロボットの多施設前向きランダム化比較試験
Project/Area Number |
25282169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
蜂須賀 研二 産業医科大学, 医学部, 教授 (00129602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20269070)
和田 太 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10341512)
山本 郁夫 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10392953)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 訓練支援ロボット / 片麻痺 / 上肢 / リハビリテーション / 機能改善 / 開発 |
Research Abstract |
操作が容易で低価格の簡易型上肢訓練ロボットを開発してその臨床上の有効性を明らかにするのが研究の目的である.平成25年度は,1)研究班会議の開催,2)ロボット開発および作製,3)臨床試験の計画立案と開始を計画した. 1)研究班会議は平成25年8月7日と平成26年3月2日の2回開催した.ロボットの基本構造は可能な限り簡素化し,グリップ付きの回転盤を2個設置し,4種類の訓練モード(active, active-assistive 1, active-assisive 2, passive)から一つを選択して,上肢の鏡像運動を600~1,000回反復させることにした.active-assistiveモードでは,回転角度10度の動きをトリガーとして運動支援を開始することにした.名称は,鏡像運動方式運動角度支援型上肢訓練ロボットMirror Image Motion Arm Trainer with Assistance of the Motion Angle (MA2)とした.また,探索的に臨床使用した結果に基づき,改良点として,ギア比の変更,操作時のパネル表示の部分的変更,安全装置のボタンの位置の変更を行うことにした. 2)MA2を4台作製した. 3)大学病院リハ部にて実施した探索的臨床使用により,多施設無作為化比較試験は実施可能と判断した.改良点として,自動運動および自動介助モード時の回転抵抗がやや大きいため,麻痺手でグリップを回転させると容易に疲労を生じることが判明した.そのためサーボモーターのギア比を14:1より10:1に変更したところ,良好な作動が確認できたので,次年度に部分的な改修を実施することにした.ロボットの完成が計画よりも遅れたため,無作為化割り付け比較試験は平成26年度から開始することにし,大学の備品登録完了後,協力施設に貸与することにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MA2の基本構造や改良点を含めて製作を依頼した.平成25年11月末に完成予定であったが製作の遅れにより納品が2月になり,納品後,探索的臨床使用を行い改修点の検討を行った.そのため,全体的に2-3ヶ月進行が遅れ,当初は平成25年度内に臨床試験を開始する予定であったが,平成26年度に開始することにした.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はMA2の開発と4台の作製,探索的な臨床使用を行った.これらの成果を踏まえて,平成26年度に追加作製する1台,現有しており本研究用に改修した1台を加えた合計6台で臨床試験を開始する. 臨床試験は病院リハ科(3施設),病院に付属するデイサービス(3施設),合計6施設に対して実施を依頼する.まず,各施設にMA2をそれぞれ1台貸与し,下記の条件を満たす患者または利用者を抽出し,ロボット訓練群と通常ケア群に無作為に振り分ける.選択基準は,①年齢は55~84歳,②維持期脳卒中片麻痺患者,③重度から中等度の上肢麻痺(Brunnstrom Stage I~IV),④週2回の通院または通所訓練が可能,⑤訓練内容を理解し実行できる知的レベル,⑥訓練に支障を生じる筋骨格系の疾患なし,⑦自らの意志で被験者になることを同意,である.ロボット群は20分間MA2訓練を行い,通常ケア群はそれぞれの施設で規定した自主訓練および集団訓練を20分間実施し,介入前,8週後,16週後に臨床評価を行う.評価項目は,Fugl-Meyer評価,Wolf-Motor Function Test, Modified Ashworth Scale,関節可動域,Stroke Impact Scaleとする.今後2年間で100症例を集めて解析を行い,有用性を明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上肢訓練ロボットの完成に時間を要したため,年度末より開始を予定していた多施設無作為化比較試験の開始が平成26年度にずれ込んだ.そのため,平成25年度内に,人件費および一部の物品費とその他の経費の使用ができなかった. 多施設無作為化比較試験に参加する施設の関係者へ,上肢訓練ロボットの使用法の研修,評価方法の講習を5月に実施し,6月から実際の多施設無作為化比較試験を開始する計画である. 人件費は研究参加施設を回り,装置の点検保守,評価方法の現場指導を実施するために使用し,物品費やその他の費用は,上肢訓練ロボットの消耗部品やパーツの費用として使用する計画である.
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