2014 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロバイオニクスの作用機序として血流増加作用の原理の解明-基礎・臨床的検討-
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25282171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 晴夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (80333574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 慎一 東北大学, 大学病院, 助教 (10622425)
海法 康裕 東北大学, 大学病院, 講師 (30447130)
荒井 陽一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50193058)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニューロバイオニクス / 血流 / 排尿障害 / 加齢 / 作用機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は基礎実験を中心に研究をおこなった。 ニューロバイオニクスの作用機序として血流増加作用の原理を解明するためにラットを用いて研究を行った。本研究の当初の目的である経皮刺激はアーティファクトのため、測定系の誤差が生じることが明らかとなり、アーティファクトを各種のフィルターを用いて消去を試みたが、満足の行く結果が得られなかった。そのため、仙髄からの分枝である骨盤神経に直接電気刺激を行った。骨盤神経に対する直接電気刺激により膀胱や前立腺の血流が増加することを認めた。また、この反応は刺激に一定レベルまでは強度依存性に増強するが、強度の増加に伴いプラトーに達することが明らかとなった。反応がプラトーに達する強度は経皮電気刺激で実臨床で使用できるレベル以上の電流であることが推察されるため、実臨床上は強度依存性に効果が発揮される可能性があることが動物実験上示唆された。骨盤神経以外の神経の直接刺激を行ったが、反応に個体差があり、一定の傾向を見いだすことは困難であった。したがって、血流増加作用は骨盤神経を介している可能性が高いと考えられる。しかし、その証明のためには下腹神経、皮神経の切断、薬剤投与など、さらに詳細な検討を要すると考えられる。 これらの結果については第102回日本泌尿器科学会総会(神戸市) 教育セミナー「夜間頻尿の要因と対処」、いわきOAB講演会(いわき市) 特別講演 「過活動膀胱の治療と今後の展望」 などでその一部を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究における刺激機器が発売中止となり、研究に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果をまとめ、成果発表を行う予定である。また、平成27年度はニューロバイオニクスのメカニズムの詳細を解明するために、骨盤神経以外の関与の有無をあきらかにする予定である。 臨床研究においては、刺激装置の発売中止により継続が困難となっている。現在代替機の選定・開発を予定している。
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Causes of Carryover |
臨床的研究で使用する予定であった刺激装置の発売中止にともない、刺激装置の購入予定が延期となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在代替機器の検討を行っており、その結果により購入を予定する。
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Research Products
(2 results)