2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25284120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳原 敏昭 東北大学, 文学研究科, 教授 (30230270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入間田 宣夫 東北大学, 東北アジア研究センター, 名誉教授 (40004048)
齊藤 利男 弘前大学, 教育学部, 教授 (90162213)
誉田 慶信 岩手県立大学盛岡短期大学部, 教授 (00310144)
菅野 文夫 岩手大学, 教育学部, 教授 (40186177)
佐藤 健治 東北芸術工科大学, 芸術学部, 准教授 (50343025)
七海 雅人 東北学院大学, 文学部, 教授 (00405888)
堀 裕 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50310769)
山口 博之 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究員 (90470278)
狭川 真一 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究員 (30321946)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 平泉 / 奥州藤原氏 / 中尊寺文書 / 常滑焼 / 経塚 / 石造物 |
Research Abstract |
文献、考古、石造物の3研究班を組織してプロジェクトを進行させているので、各々について述べる。 【文献班】最大の眼目は、中尊寺文書の調査・研究である。寺外の研究者に同文書の調査が許されたのは、約半世紀ぶりのこととなる。9月13~16日の4日間、文献班全員の参加によって、第1回調査を実施した。次年度以降の本調査に向け、概要を把握するとともに、写真撮影に備えての情報を収集することができた。11月24日には、中尊寺にて分担者が研究報告を行い、成果を還元することができた。 【考古班】来年度の北海道勇払郡厚真町の宇隆1遺跡調査に向けて、5月23~25日に研究代表者と研究協力者1名が同町教育委員会と協議を行うとともに、予備的な調査を行った。10月20日~22日には考古班が同町にて調査を行い、発掘対象地を確定し、遺跡の周辺を調査した。この2回の調査で、経塚状の遺構が複数確認されている。一方、「平泉関係考古資料集成」の作成に向け、9月14・15日に、青森県方面で調査を実施した。主目的は経塚と思われる遺構の踏査である。その中で、従来未発見であった平泉関係の遺物を表面採集するなど重要な成果が上がった。 【石造物班】9月23~25日、平泉町内の石造物調査の一環として、もとは観自在王院址中島にあった板碑(現在は毛越寺所蔵)を中心に調査を実施し、写真撮影、拓本作成、法量・石材等に関するデータ収集を行った。以前の調査にかかわる様々な痕跡もあったので、板碑研究史の資料としてそれも記録した。これまでは簡単なスケッチが報告されているだけであったので、貴重な情報となる。 プロジェクト全体としては、8月4日に、一関市博物館、東北中世史研究会と共同で、シンポジウム「骨寺村―その成り立ちと展開―」(於一関市博物館)を開催した。研究分担者1名、研究協力者2名ほかが中尊寺領骨寺村に関する研究成果を報告している。この場には、一般市民も参加している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は5年計画の1年目にあたっているため、次年度以降に行う本格的調査の準備を行うことに主眼がおかれた。前項目同様、研究班ごとに記す。 【文献班】史料所蔵者である中尊寺との協議は非常に大切な課題である。書面・メールによるやりとり、訪問しての協議等々で、調査について十分にご理解をいただくことができた。9月の調査では、中尊寺文書の全体の概要を把握することができ、来年度以降の調査方針を決定する上で、十分な情報を得た。「平泉関係史料集成」については、7月5日に研究代表者、分担者2名が東京大学史料編纂所にて平泉関係の写真版・影写本を調査し、写を正式に入手することで、作業に着手することができた。この調査には中尊寺からも3名が参加されている。 【考古班】来年度の宇隆1遺跡の発掘調査に向けて、十全な準備を行った。調査地点を確定し、機材、作業員の数、予算等について見通しを得た。手続き面でも問題はない。「平泉関係考古資料集成」の作成に向けても、青森方面を皮切りに調査を開始している。 【石造物班】平泉町内の石造物の調査に着手するという本年度の課題は、達成された。加えて石造物班会議を9月23日にもつことによって、今後の調査・研究方針も確立している。 プロジェクト全体では、6月16日に代表者と班総括者等が仙台で打ち合わせを行った(コアメンバー会議と称する)。それを受けて、7月13・14日に平泉で代表者・分担者・協力者による全体会を開催し、課題の共有化をはかり、調査・研究方針について十分な協議を行っている。1月末にも全体会をもつ予定であったが、予算の関係上、コアメンバー会議に留めた(1月26日)。しかし、運営上の支障はない。このようにプロジェクトは、ほぼ計画通りに進行している。ただし、ホームページの開設だけは予算の都合上、断念せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進んでいるので、大きな計画変更はない。以下、来年度の推進方策を研究班ごとに述べる。 【文献班】中尊寺文書の本調査、撮影を実施する。9月に3泊4日の日程で行う予定である。また、中尊寺子院所有文書の調査に向けて、折衝を始める必要がある。中尊寺以外では仙岳院文書、伊達家文書に平泉・中尊寺関係文書が含まれている可能性があるので、それらの調査に向けても情報収集を開始する。「平泉関係史料集成」も目録作りに着手する。 【考古班】厚真町宇隆1遺跡の発掘調査を10月に1週間の予定で実施する。この調査が、本科研費における最大の眼目の一つであり、予算も重点的に配分する。「平泉関係考古資料集成」については予算の消化状況を見ながら計画を遂行する。 【石造物班】平泉周辺の石造物調査の手始めとして、宮城県北部にて調査(写真撮影、拓本作成、法量・石材等に関するデータ収集)を実施する。 来年度は、予算的な問題があるので、代表者、分担者、協力者が一堂に集まる全体会は開催しない。コアメンバー会議も年度末の1回に留める。そのかわりにメーリングリストによって緊密に連絡を取り合い、計画遂行に支障が出ないようにする。専用ホームページを立ち上げるようにする。
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Research Products
(16 results)