2013 Fiscal Year Annual Research Report
アラブ・イスラーム世界におけるマルクス主義の展開―運動・哲学・歴史像をめぐって
Project/Area Number |
25284131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 教授 (10225261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 榮治 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00272493)
小林 春夫 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70242229)
鈴木 規夫 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (70271468)
水島 多喜男 徳島大学, その他の研究科, 教授 (10219628)
阿久津 正幸 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (10626188)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 西アジア・イスラーム史 / 社会思想史 / 民衆運動史 / マルクス主義 / 世界史像 |
Research Abstract |
アラブ・イスラーム世界におけるマルクス主義の展開過程に関し、計画通り、「運動」「社会的経済的背景」「哲学・思想」「歴史像」の4つのテーマを中心に資料収集、現地調査、資料分析と意見交換のための研究会・勉強会を行ない、成果を挙げることができた。 初年度の2013年度は、各研究分担者により、エジプト・カイロにおける政治・社会思想をめぐる現地調査(2014年3月)、同国地方社会における教育と知のあり方に関する調査(同3月)、ウズベキスタンにおけるイスラーム思想関係の調査および資料収集(同3月)が行なわれ、トルコで開催された国際学会出席(2013年11月)、英国ケンブリッジおよび中国蘭州における研究打ち合わせ(2014年3月)も実施された。研究協力者によるエジプト・イランの社会思想・運動をめぐる文献収集および分析も順調に進展した。 計5回の研究会(2013年6月1日、8月3日、11月30日、12月15日、2014年2月22日)参加を通じて研究分担者・協力者ほぼ全員が一堂に会して意見交換・基本的テクストをめぐる理解の共有を行なう機会を持つと共に、うち2回は外部からの講師を招聘して、イスラーム以前のアラビア半島における言語文化状況(6月1日)、マルクス主義研究の根幹であるマルクス草稿分析(12月15日)をめぐる勉強会を開催し、本研究テーマに多様な切り口から接近するための貴重な手がかりを得ることができた。 これらの成果を踏まえ、各研究分担者・協力者による論文・著作発表、学会参加や研究報告等も活発に行なわれている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資史料収集および現地調査、研究会や、外部からの講師を招いての勉強会が、計画通り進展している。初年度であるにもかかわらず、個々の研究分担者・研究協力者により、関連テーマに関する論文執筆や研究報告等も活発に行なわれている。 一方、2013年度は初年度であるため、未だ本科研費グループ全体としてまとまった成果を体系的に発信するには至っていない。今後は成果の組織的発信のための工夫を行ないたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
資料収集、海外での現地調査を引き続き精力的に継続すると共に、資料の整理・分析結果を組織的に発信していくための工夫(紙媒体およびウェブの双方の可能性を検討)を行ないたい。 また、特に3年目(2015年)以降に日本国内で開催を計画している国際ワークショップの企画・立案を開始することにより、本科研の成果を体系的に提示し、国際的にも発信していくための作業を具体化していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者のうち1名が本務校において管理職を務めており、多忙のため、計画通りに海外調査・資料収集を実施することができなかったため。また、予定していた研究協力者のうち1名も体調不良のため、調査・資料収集ができなかった。 上記の事由は2014度は解消され、研究分担者が十全に現地調査等を行なえる条件が整うので、現地調査(旅費)、史資料購入(物品費)に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)