2013 Fiscal Year Annual Research Report
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25285066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
松井 名津 松山大学, 経済学部, 教授 (10320110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 信彦 関西大学, 経済学部, 教授 (40309208)
久保 真 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (30276399)
佐々木 憲介 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50178646)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80292077)
上宮 智之 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (80580828)
只腰 親和 中央大学, 経済学部, 教授 (60179710)
廣瀬 弘毅 福井県立大学, 経済学部, 准教授 (20286157)
原谷 直樹 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (30707138)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経済学 / 方法論 / 多面的構造 |
Research Abstract |
本研究グループの目的はイギリスを中心としながら経済学方法論の多次元性を明らかにする事にある。本年度は初年度として、1)グループ内での次元設定の再確認 2)ここの研究対象への設定した次元からのアプローチによる研究の深化 3)国内外における研究者との交流および学会報告を通じて、設定した4次元の有効性を検証することを目的としていた。この目的にそって、今年度は国内研究会によるメンバー内の共通認識の深化と、他の研究者を招いての情報交換と次元性の検証を実施した。研究会は3回実施され、今年度第1回は研究メンバーである佐々木氏の近著を批判的に検討する事によって、メンバー内での共通認識を深めた。第2回は音無氏によるロールズのカント的方法論と、太子堂氏による現代行動経済学における政策論の報告を受け、方法論のもつ認知的・哲学的次元と規範的次元が他の経済学および社会科学にも適用可能であるかを検証した。この研究会で主として行動経済学を対象としながらも政策とモデルの関係性が問題となった。第3回は研究メンバーの個別報告を中心として、それぞれケインズの政策論とハイエクの貨幣論の規範的・政策的側面を検証した。ここでは政策として具現化される時論的論稿と理論を支える方法論との関係性が主として課題となった。以上本年度研究実施計画1)2)に関してはほぼ達成されたと思われる。 本年度研究実施計画のうち3)に関しては、第2回と第3回の研究会に研究会メンバー以外から出席の申し込みがあり、連続して出席しコメントを寄せる研究者が出るなど、国内においては一定の成果を上げる事が出来た。が、国外に関しては今年度渡航予定の研究者が本務校の業務(科研費交付決定然に決定していたもの)との日程調整や、不慮の事故等により、実現されたのは1件のみであった。が、この遅延は次年度(平成24年度)に改善可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記したように、採択以前に本務校の業務(教務・入試等の学内委員)への任用が決定した、あるいは不慮の事故により、当初予定していた海外研究者への発信および情報交換が停滞してしまった面は否めない。 しかし、今年度既に研究メンバーの論文が海外学術誌に掲載されており、一定の発信は実現したと考える。 国内への発信や、各自の研究対象に対する研究の進捗状況は順調である。この点で年3回ペースでの研究会は単に進捗状況を確認する場としてだけでなく、研究メンバー外の研究者の定期的出席と相まって相互啓発と新たな視点を提供する場として、その役割を十二分に果たしていると考える。 よって、各自の研究としては「おおむね順調」に経緯しているものの、海外への発信および情報交換が停滞している点を持って、「ややおくれている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題遂行メンバーによる研究会に、他の専門研究者の出席が増大している事、それも北海道や松山など地方での研究会でもそれぞれ10名、4名の参加があったこと、また各メンバーがそれぞれの研究課題に関連する報告を学会で行い、論文書評等を発表している事から、国内での発信に関しては、問題なく実行されていると考える。今後も年3回の研究会を続行する予定である。課題となっている海外への発信および海外専門研究家との交流に関しては、既に研究メンバーによる海外学会での報告が決定しているほか、海外研究者の本研究会への参加を打診中であり、既に内諾を得ている状態である。また本務校の業務との日程調整も今年度は余裕を持って行う事ができ、事故による負傷も十分回復している事から、来年度は3名以上の海外渡航と海外での研究活動の実施が確実になっている。 このように来年度は今年度の若干の遅延を回復した上で、更なる研究の進捗がはかれるものと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度海外在留研究活動を計画していた研究メンバーが事故および本務校での校務(申請時には着任が予想されず、交付時には着任済み)により、当初計画していた海外研究会および在留研究計画の実施が不可能となった。このため貝が旅費として予定していた予算が次年度使用額として発生した。 今年度スイスおよびオーストラリアでの海外研究会への出席と報告が決定している。また、新たにヘルシンキでの研究活動が必要となったため、今年度の申請額および今年度への繰越金をこの海外渡航費用として使用する予定である。
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Research Products
(18 results)