2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際コンテンツ製作ネットワークでのプロデューサーの創造性マネジメント能力の分析
Project/Area Number |
25285115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若林 直樹 京都大学, 経営学研究科, 教授 (80242155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 仁一郎 大阪市立大学, 経営学研究科, 准教授 (40325311)
山下 勝 青山学院大学, 経営学部, 教授 (80348458)
関口 倫紀 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20373110)
稲垣 京輔 法政大学, 経営学部, 教授 (10327140)
神吉 直人 香川大学, 経済学部, 准教授 (90467671)
中本 龍市 椙山女学園大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80616136)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロジェクト組織管理 / プロデューサー管理能力 / 創造産業 / 創造性活性化 / コンテンツ産業 / 国際的価値連鎖 / クリエイティブ・ケイパビリティ / 創造性 |
Research Abstract |
本年度は、日本コンテンツ産業の国際的な製作・流通分業とそこでの日本プロデューサーの持つ創造性活性化能力について、国際シンポジウムや研究会の開催と国際調査を実施して国際比較分析を行った。第一に、2013年11月29日に京都大学経営管理大学院にて第6回「サービス・イノベーション国際シンポジウム」を開催し、「グローバル化するクリエイティブ産業とアジア型プロデューサーの新たなミッション」をテーマとして、米国サフォーク大学R.DeFillippiより創造産業研究に関する理論動向の基調報告を受けて韓国延世大学シン・ドンヨプ、台湾成功大学仲曉玲、山田仁一郎らによりアジア太平洋地域の主要事例と国際展開の状況について討議した。さらに、株式会社サンライズなどのコンテンツ産業の代表的企業関係者からの実務者報告もなされて、プロデューサー国際化の実情の報告を受けた。第2に、その準備として、日本の製作委員会の歴史的展開やそのプロデューサーの日本的特性が職人型の社員・独立プロデューサーであるとの分析結果について研究会で検討した。第3に、オックスフォード大学日産セミナーという国際研究会に招聘されて、日本の製作委員会の成長とそこでのプロデューサーの役割について報告して評価を受けた。第四に、アジアにおけるコンテンツ産業における国際価値連鎖の課題についての調査分析を,インドネシア、台湾に関して行った。また、2013年7月における仏パリのJAPAN EXPOを調査して、日本出版企業の国際化戦略についての検討を行った。第五に、創造性活性化の測定に備えて、個人の創造性発揮のメカニズムを理解するための経験サンプリング法による調査システムを開発し、予備調査を実施した。第六にクリエイティブクラスターの分析をするために、大阪を訪問調査して、クリエイターに対するヒアリング調査を12件実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、国際協力研究者3名を米韓台より招聘して、国際シンポジウムを主催して国際的な研究成果の動向について,比較検討すると共に、社会に対しても研究成果の積極的な還元を行うことが出来た。特に、株式会社サンライズなどの代表的なコンテンツ産業の企業関係者からの報告もして頂き実務者からのプロデューサー国際化の展開について報告を受けた。また、日本の製作委員会の歴史的展開やそのプロデューサー活動の日本的特性が職人型の社員・独立プロデューサーであるとの理解を得ることが出来た。第3に、オックスフォード大学日産セミナーという国際研究会に招聘されて、日本の製作委員会の成長とそこでのプロデューサーの役割について報告して,非常に興味深い事例との評価を受けた。また、創造性活性化能力評価についての研究準備も進み、台湾、フランス、インドネシア、大阪などの調査も順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に得られた結果を基にし次の4点について下記のような調査活動を行う。第一に、国際的プロデューサーの創造性活性化能力の分析である。米国経営学会においての創造性活性化指標(Creativity index)開発の動向調査研究を行い、プロジェクト・チームベースでの創造性活性化指標の検討を行う。第二に、映像産業における異業種間製作ネットワーク組織の国際比較分析である。映像産業に関して、アジアの異業種間コンテンツ製作提携についての国際比較事例分析を行う。第三に、出版産業の国際化の分析である。海外コミコンにおいて日本出版コンテンツの米国での流通についての調査を行う。第四に、創造産業クラスターの国際比較分析である。大阪市扇町地区と、イタリアPadova 市近郊地域でのデザイン産業の地域集積及びそこでの他の製造業との地域的な知識分業構造についての現地調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定だった重要関連書籍文献のシリーズが2014年度に入ったために,一部支出を延期した。 Lee, Nikki J. Y.et al. (eds.),Japanese Cinema: Critical Concepts in Media and Cultural Studies. 4vols. Routledge, UKなどの重要文献の刊行が2014年度に行われるので、それを購入する予定。
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