2015 Fiscal Year Annual Research Report
10代前半の摂食障害者における社会的認知の検討:顔認知課題を中心に
Project/Area Number |
25285204
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
金沢 創 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80337691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作田 亮一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40254974)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 発達 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度基金分においては、摂食障害者の認知実験及びNIRSによる脳活動の計測を実際に行った。本計画では、顔画像として自己顔と他者顔を用い、脳活動計測の方法としては、発達障害児/者でも負担なく計測が可能なNIRS(近赤外分光法)を用いた。摂食障害者は、自己の身体の認知について極端に現実とは異なるイメージを保持しており、自己イメージの歪みが指摘されてきた。本研究計画でもこの仮説にのっとり、自己顔の認知が、摂食障害者において、なんらかの観点で歪んだものとなっているのではないか、と考えた。具体的には自己顔を観察している際の脳活動を、摂食障害者とコントロール群との間で、比較検討した。顔認知については一般に右側頭が強く反応することが知られている。NIRSは、fMRIに比べれば、脳の表面しか測定できないという欠点をもつが、実験参加者への負担が少ないという有利な点をもつ。そのため、発達障害児/者という拘束を比較的嫌う人たちを対象としても、NIRSは有効である。本計画では、安静時と顔観察時の脳活動の差分を、自己顔と他者顔との間で比較した。その結果、摂食障害群では、自己顔、他者顔の双方で、顔認知で活動がみられる右側頭での有意な活動の増加がみられたが、コントロール群では自己顔に対してのみ、右側頭での反応がみられた。この結果は、摂食障害者にとって、自己の顔も、他者の顔と同様に処理しているという点で、自己顔認知がゆがんだものとなっていることを示唆している。この結果は、国際誌PlosONEに掲載された。また、一般メディアにプレスリリースを行い新聞各紙に掲載された。これに加え、Jornal of Vision2本、i-Perception、PlosOne、などの専門誌、ならびにCurrent BiologyやPNASなどのインパクトファクターが高い一般科学誌での成果発表も行った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Differences in the pattern of hemodynamic response to self-face and stranger-face images in adolescents with Anorexia Nervosa: A near-infrared spectroscopic study2015
Author(s)
Inoue, T., Sakuta, Y., Shimamura, K., Ichikawa, H., Kobayashi, M., Otani, R., Yamaguchi, M. K., Kanazawa, S., Kakigi, R., Sakuta, R.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 10(7)
Pages: e0132050.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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