2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25285248
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
安東 恭一郎 香川大学, 教育学部, 教授 (20284341)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 孝雄 東京家政大学, 家政学部, 教授 (00459596)
村上 尚徳 環太平洋大学, 教育学部, 教授 (10370082)
鈴木 幹雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70163003)
福本 謹一 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 副学長 (80165315)
山口 喜雄 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90292573)
天形 健 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (90302306)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | デジタル教科書 / 美術教育 / 国際情報交換・韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は美術デジタルコンテンツ開発状況調査および美術授業におけるデジタルコンテンツの利活用調査を韓国,ドイツ,イタリア,フランスを対象に行った。また本年度関連論文を3本(何れも査読付き)提出した。 本年度調査から得られたこととして,韓国は2015年度にデジタル教科書に完全移行となっていたが,政権交代により教育政策におけるデジタル教科書の扱いを「学習効果をよく見極めたから実施する」とし,科学,数学,国語などでは先行導入し美術などについては一部先進学校で検証した後,導入か否かを決定することとなった。一方でデジタルコンテンツを扱える美術教員の研修会などは展開されているので,こうした研修会レベルでの調査が今後の状況調査では必要である。 海外調査・韓国(継続調査2年目)では「教育現場・先進的取組を展開している小学校および高等学校教師を訪問し,その授業参観およびインタビューを行いその研修制度やコンテンツの内容及び授業での展開事例を調査した。 イタリア調査ではレッジョで取り組まれている幼児教育場面におけるデジタルコンテンツ取組状況について調査すると共に,レッジョエミリア市で開催された「国際フレネ教育学会」に発表者として参加し,学会参加者・発表者から各国のデジタルコンテンツ取組状況について情報を得た。 フランス調査では現在必修科目とされている「芸術史」の授業運営においてデジタルコンテンツがどのように展開されているかについて幼児教育現場,小学校,高等学校,芸術大学それぞれの実地調査をおこなった。これらの調査報告については専用のWebサイトから情報発信した。特にフランスでは教育政策として芸術科目を学校教育の柱とした教育課程が編成されており,本調査では授業実施場面での調査,授業者自身からのインタビュー,視学官との意見交換などを行い,そこでのWebコンテンツの活用方法なども調査した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで予定していた世界調査に基づき中間報告としての論文を3本提出できた。韓国では美術デジタルコンテンツ開発状況を個別の複数教員から調査できた。本年度予定していた欧州を中心にした調査では,教科書・テキストブックなど資料としてデジタルコンテンツを活用すると共に,LMS(学習運営支援)として積極的に利用していることなどが明らかとなった。 本年度は海外調査に加え,日本におけるデジタルコンテンツ開発調査および研究が展開した。すなわち,既に美術館などで利用されているデジタルコンテンツを美術教科書へ活用する研究について取り組む基礎付けを行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は韓国におけるデジタルコンテンツ開発状況を開発者からの聞き取りなどを通して引き続き調査する。海外調査においては,北欧,アメリカ,アジア地区における美術デジタルコンテンツの利活用について調査を行う。これら調査結果については専用Webサイトにて公開する。 これら調査研究成果を日本における美術教育の現場に還元することを目的として,既に日本で開発されている美術館向けのデジタルコンテンツを学校美術教育の場面で有効利用できるよう,公開に向けて開発,実証を重ねる。併せて学校美術教育LMS(学習運営支援)としての機能とその内容についても検討していく。
|
Causes of Carryover |
27年度の世界調査実施を前に,欧州地区のデジタルコンテンツ取組状況の全体像を把握する必要性から,27年度に予定していたドイツ調査(鈴木研究分担者が担当)を26年に前倒しして実施したため,使用額に変更が生じた。 また,日本における美術教育・デジタルコンテンツ開発について取り組むことがで,東京で定期的に会議を持つ必要から旅費が増額した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は引き続き世界調査および韓国調査を継続し行う。また,日本における学校美術教育・観賞教育におけるデジタルコンテンツ開発を研究協力者と共に学校現場において実証的に展開していく。
|
Research Products
(10 results)