2016 Fiscal Year Annual Research Report
Various problems related to the classification in higher dimensional birational geometry
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25287005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 重文 京都大学, 高等研究院, 教授 (00093328)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 端収縮射 / 因子収縮射 / Qコニック束 / フリップ / 端末特異点 / ファノ多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
X が端末的3次元多様体とし、芽 (Z,o) への射影射 f : X → (Z,o) を考える。Xの反標準束 -K が f 豊富で Z の点 o の逆像 C が既約曲線の時、f を端収縮射と呼ぶ。森は Prokhorov教授 と共同して、端収縮射 f : X → Z を研究している。これまでの手法を改良して、Qコニック束以外にも、因子を曲線につぶすタイプの端収縮射も研究可能にした。自明線形束の元のうち C を含む一般の元 H を決定すると、逆に H の変形により元の X を復元できるので、X の分類のためには Hの構造を決定すれば良い。端収縮射はいくつかの型に分かれており、中でも非ゴーレンシュタイン点がただ一つの場合の完成が今回の目標であった。 一般象予想に関する結果 (森・Prokhorov, 2009) を適用して、IC型とIIB型の端収縮射の分類を出版した(2014年)。IIA型の場合は、(上に述べた) H が正規になる判定法と正規になる場合の分類を分離して出版した(2016年)。 3次元端収縮射 f : X → (Z,o) において上記の設定の下、Hが非正規の場合も証明ができた。フリップ収縮射にはならず、次の2つの場合が得られた。(1) f は因子収縮射でf(H)はD5型の Du Val特異点であり、Hの表示も得られている。(2) f は Qコニック束で Z は非特異曲面であり、Hの表示も得られている。また、何れの場合も X は C 上に高々1個の III型特異点を持ちうる。証明は現在自己点検中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IIA型の場合は思ったより複雑で証明を書き上げてから確認中に、Hが非正規という病的な場合が新たに起こるのを発見するという事態が以前に起こっていたので、Prokhorov教授との当該年度の共同研究ではその確認に注力した。その結果、Hが非正規の場合のみを独立して扱い、証明を完成できたと思っている。念のために、期間をおいて確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
今は国際数学連合という組織の総裁を勤めているが、来年8月の国際数学者会議に向けての準備のため、今年度(平成29年度)は一番負担が重くなる年度である。従って、目標を絞って、研究を進めようと考えている。 これまでの研究は、具体例を作りながら分類をするという着実な方法をとっており、端収縮射の中で残っているkAD型とIA+IA+III型のうち、まずkAD型に注力することを考えている。上記の事情で完成できない事態は起こりうるが、その場合も次期の研究に繋がる結果をあげることを意識して研究する予定である。
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Causes of Carryover |
参加予定の研究集会に都合がつかず欠席したため、旅費が使えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
早めにできるだけ予定を確認させて、研究集会を選ぶことで対応する。
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