2014 Fiscal Year Annual Research Report
STEM-CBED法による強誘電体の分極ナノドメインの構造解析・分極マッピング
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25287068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
津田 健治 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00241274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / 収束電子回折 / STEM-CBED / 誘電体物性 / 分極マッピング |
Outline of Annual Research Achievements |
収束電子回折 (Convergent-beam electron diffraction: CBED) 法と走査透過電子顕微鏡 (Scanning transmission electron microscopy: STEM) 法を組み合わせて,格子歪み・分極・静電ポテンシャルの局所変化を2次元分布として計測できる新たな手法 (STEM-CBED法) の開発と応用を行っている. 昨年度のチタン酸バリウム (BaTiO3) の正方晶相の解析に続いて,この手法を適用してニオブ酸カリウム (KNbO3) の斜方晶相の解析を試みた.KNbO3はBaTiO3と同様の逐次相転移系列を持つ強誘電体であり,BaTiO3正方晶相と同様のナノスケールの局所構造・分極の揺らぎの分布を,KNbO3正方晶相においても観察することに成功した. これらはどちらも室温相の観察であるが,液体窒素冷却試料ホルダーおよび加熱試料ホルダーを用いて各相の局所構造を調べる試みを行った.また.強誘電ドメイン境界近傍における局所構造変化をとらえる試みを行った.さらに,ナノ電子ビームの試料厚み方向の構造変化の情報を,試料を傾斜せずCBED図形から取り出す方法についても検討を開始した. 成果について,国際会議 (IUCr 2014 (Montreal, Canada), IUMRS-ICA2014 (Fukuoka) )における招待講演等で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STEM-CBED法をエネルギーフィルター透過電子顕微鏡JEM-2010FEF上で動作させ,KNbO3斜方晶相のナノメータースケールの局所構造揺らぎ・分極の分布を可視化することに成功した.さらに,強誘電体ヘテロ界面,強誘電ナノキューブ,リラクサーなど,広い範囲の試料に適用可能な段階に達した.
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Strategy for Future Research Activity |
STEM-CBED法の開発・改良を継続し,強誘電体ヘテロ界面,強誘電ナノキューブ,リラクサーなど,広い範囲の試料に適用し,これまで得られなかったナノスケールの局所構造揺らぎ・分極分布の情報を得て,巨視的物性との相関を調べる.
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