2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25289048
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
水野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20134645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 裕行 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20201733)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 磁気浮上 / メカトロニクス / 風洞 / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)風洞測定部が100×100mmの大きさとなる風洞装置の設計を行った.開発する風洞試験装置は,気流送出・排出を行う風洞部と回転球体支持装置とから構成する.回転球体支持装置は,強磁性体を含む球体を磁気浮上させ,かつ回転させるための磁界を発生する電磁石を備えている.浮上対象物の空間的位置を制御するために,それぞれの軸方向に一対の磁極と複数の電磁石を備えた構造とした.磁極構造の最適化を行うため,磁場解析によって,コイルに流す電流と発生力との関係について詳細な検討を行った. (2)解析の有効性を検証するために,風洞測定部の大きさが60×60mmの既存の装置において,浮上対象物に作用する力を測定し,解析結果と比較した.その結果,磁場解析ソフトによってかなりの精度で発生力などが予測できることが確認された.そして,解析に基づいて設計した磁極構造を持つように,既存の装置の改良を行い,風洞試験部の大きさを従来のものより大きくして装置を製作した. (3)上記の装置を用いて浮上・回転実験を行った.制御則としてはPID制御を適用し,浮上対象物(鋼球)に外力が作用しても,位置を一定に保つ制御系を実現した.つぎに,制御信号に2相交流信号を重畳させて,水平面内での回転を実現した. (4)開発した装置を用いて風洞試験を行った.測定対象物に風をあてて,その位置を一定に保つ制御入力から抗力を推定した.さらに,一定速度で回転させた状態で,風と垂直方向の力(揚力)を測定した. (5)上記したように,電磁石の吸引力を利用して直接球体を支持・回転する方式では,実現できる風洞の大きさが制約されるので,磁路制御形磁気浮上機構によってセルフスピニング機能を持つ球体を支持する形式の風洞装置についても検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
従来の装置を改良し,風洞試験部の大ギャップ化を図ったが,既設の電力供給装置の制約によって,短時間しか試験を行えないことがわかった.この知見を踏まえて,従来の磁極構造を大幅に改良して,より省エネルギなシステムへ改良を行った.そのため,目標としていた可視化実験などの実施がやや遅れることとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
磁場解析ソフトを有効に利用することによって最適な磁極構造についての知見が得られたので,この成果に沿った装置の改良を行い,風洞試験を実施することした.また,磁路制御形磁気浮上についても,従来よりも発生力が大きくかつ制御性の良い新しい方式についての知見が得られたので,この方式についても開発を進めていく.
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Causes of Carryover |
電子部品の一部を使わずに実験を行ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未着手の実験を行うときに用いる電子部品を購入するのに使用する.
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Research Products
(6 results)