2014 Fiscal Year Annual Research Report
地震で変状した堤防の耐浸透・耐越流性能の評価と新しい性能指標の提案
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25289147
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渦岡 良介 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40333306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙頭 紀明 日本大学, 工学部, 准教授 (40333835)
原 忠 高知大学, 自然科学系, 教授 (80407874)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 堤防 / 地震 / 耐浸透性能 / 耐越流性能 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震・津波および地震・豪雨のような複合災害における様々な外力作用下において、先行の地震外力による堤防の変状を考慮し、後続の浸透・越流などの外力に対する堤防の性能を明らかにすることを目的とする。地震によって堤防は変形し、天端が沈下するだけでなく、ひずみやクラックなどの変状が生じる。このような変状が生じた堤防の耐浸透・耐越流性能は明らかになっておらず、従来は堤防天端の沈下量だけで性能評価がなされている。本研究では、堤防を構成する不飽和土の力学に立脚して模型実験や数値解析を用いて、地震による変状を受けた堤防の耐浸透・耐越流性能を解明し、新たな性能評価の指標を提案する。具体的には、堤防の典型的な構成材料の浸水変形特性や震動後に変形した堤防の耐浸透・耐越流性能を定量的に明らかにする。最終的には、堤体の変形やクラックの開口幅・位置に着目し、耐浸透・耐越流性能の新たな指標を提案する。 当該年度は上記の目的を達成するため、不飽和砂質土の浸水せん断試験、浸透による内部侵食を受けた砂質土のせん断試験および震動後の浸透・越流を考慮した堤防の遠心模型実験を実施した。不飽和土の浸水せん断試験では、改良した不飽和三軸試験機を用いて、堤防土と同等の粒度を有する土を用いてせん断後の浸水試験を実施し、せん断応力の大きさによって浸水時の挙動が異なることを示した。内部侵食を受けた砂質土のせん断試験では、種々の侵食特性を有する砂質土の内部侵食その後のせん断試験を実施し、内部侵食によりせん断特性が変化することを確認した。遠心模型実験では、遠心場で使用する小型振動台をさらに改良し、その性能を検証した。その結果、飽和砂質土の模型地盤を遠心場で振動することが可能となり、液状化の発生を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不飽和土の浸水せん断試験および内部侵食後のせん断試験は順調に進展している。平成25年度に遠心場での振動台を試作したが、その性能を向上させるため平成26年度も引き続き、振動台の改良を実施したため、遠心場において堤防の振動後の浸透特性を評価する実験がやや遅れている。積み残した実験は平成27年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実施できなかった遠心模型実験は平成27年度に実施予定である。
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Causes of Carryover |
振動台の改良を行ったため、遠心模型実験で使用予定の消耗品の支出が少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遠心模型実験の消耗品として支出予定である。
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Research Products
(5 results)