2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25290005
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西条 寿夫 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (00189284)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サル / 本能 / 認知 / 視床枕 / 上丘 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 膝状体外視覚系ニューロンによる顔属性の識別機構:サルを用いて、5人のモデルの顔写真に対する視床枕ニューロンの応答を記録し、応答を潜時500msまで50msずつ10区間に分割して経時的に多次元尺度法(MDS)により解析した。その結果、第一エポック(0-50 ms)では、顔の特定の属性の集積は認められなかったが、第二エポック(50-100 ms)において顔方向(正面 vs. 側面)、男女差、および個人の違いを符号化していることが明らかになった。さらに第二エポックの応答潜時が大脳皮質より早いことから、視床枕における顔情報処理はbottom-up による神経機構に基づくと推察された。 2.膝状体外視覚系ニューロンのガンマオシレーションによる顔情報処理の神経機構:顔写真呈示中のサル視床枕ニューロンの活動を記録し、視覚刺激応答および視覚刺激非応答ニューロンの刺激呈示前後の1秒間におけるガンマオシレーション(30-80 Hz)を解析した。その結果、とくに視覚刺激非応答ニューロンにおけるガンマオシレーションの強度およびガンマオシレーションを呈するニューロンの割合が課題正答率と正相関を示すことが明らかになった。 3.膝状体外視覚系ニューロンによる恐怖表情の情報処理機構:サルに顔画像を呈示し、サルおよびヒトの中性および表情画像、ならびに単純図形に対する応答性を解析した。その結果、表情画像に対する平均応答潜時(約60 ms)は、中性画像や単純図形に対する応答潜時より早く、また表情画像に対する応答強度は、中性画像や単純図形に対する応答強度より強く、視床枕は表情画像をbotton-up性に処理していることが明らかになった。 4.膝状体外視覚系ニューロンによるヘビ画像の情報処理機構:本年度は、ヘビ画像に対するサル上丘ニューロンの応答を記録した(n=336)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であるサル視床枕および上丘ニューロン活動の記録を予定通り行なうことができた。また、データのいくつかは論文で公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにいくつかのサルは26年度に手術してあるため、27年度はこのサルを用いて記録を続行しながら、さらに新規のサルを購入して記録ニューロン数を増やしていきたいと考えている。
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