2015 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛発症・維持機構としての脊髄グリア・血管・ニューロン相互連関の分子基盤
Project/Area Number |
25290016
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / グリア / 脂質メディエーター / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢神経障害後の難治性疼痛を示すモデル動物において、神経障害後の脊髄における血管内皮細胞/グリア細胞/ニューロンに活性化する因子を同定し、3者間の相互連関と神経障害性疼痛の関係を解明する。 この1年間での成果は以下の通りである。 1.脊髄マイクログリアにおけるPGI2発現とその神経障害性疼痛における役割:ラットの末梢神経障害後に、脊髄内血管内皮において、COX-2及びPGI2の合成酵素であるPGI2 synthaseの発現増加が観察された。また、PGI2の受容体が脊髄ニューロンにおいて発現していることを確認出来た。内皮細胞での発現増加を介在する分子として、脊髄マイクログリアで増加するTNFαが有力候補として見つかり、TNFα投与により末梢神経障害後で生じる種々の現象を再現することが出来た。過去の論文のデータとの差異という最も大きな問題をクリアするために、コントロール実験や確認実験を繰り返してきた。データもまとまり、現在投稿直前である。 2.脂質メディエーター、ロイコトリエンの脊髄に対する影響の電気生理学的解析:電気生理学的手法(パッチクランプ法)にて脊髄ニューロンに対するLTB4投与の影響を解析すると、神経障害性疼痛モデルの脊髄ニューロンのNMDA誘発内向き電流を有意に増加させることがわかった。この効果は受容体の拮抗剤で切れ、さらに細胞内のG蛋白を介していることも判った。これらの結果はMol Painに発表した。 3.末梢神経傷害後発現増加するArteminの影響:末梢神経傷害後、皮膚のケラチノサイトでArtemin発現が増加し、それがDRGニューロンにおけるTRPV1/TRPA1の発現を制御していることを、種々のin vivo及び in vitro実験で証明した。これらの結果は Mol Painに発表した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)