2014 Fiscal Year Annual Research Report
コリン作動性シナプスの構築・機能化・可塑性を制御する蛋白群の解析
Project/Area Number |
25290025
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
持田 澄子 東京医科大学, 医学部, 教授 (30096341)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | シナプス / コリン作動性神経 / シナプス可塑性 / 発火 / カルシウム / ミオシン / ダイナミン / シヌクレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に着手したアセチルコリン小胞モーター蛋白Myosin IIB と新規モーター蛋白Myosin VIの遺伝子操作によるシナプス前終末の小胞移送のためのモーター蛋白の機能的活性化の解析を完結させるとともに、C2を用いてMyosin IIBとMyosin VI分子の局在を解析して、論文にまとめてJournal of Neuroscienceに投稿し、平成27年5月6日に受諾された。 25年度報告書に記載したように、申請書には平成29年度に計画していた機能化したシナプスの時空間的活性化と不活性化のメカニズムの解析を平成26年度に実施して、神経活動とモーター蛋白の活性を時空間的に解析した結果、活動電位の発火パターンの違いよって活性化されるダイナミン1と3に駆動される時間経過が異なるエンドサイトーシスに引き続いて、モーター蛋白Myosin IIBとMyosin VIが、それぞれに、シナプス小胞を小胞放出部位に移送することを明らかにし、上記論文に含めた。また、シナプス前終末カルシウム濃度上昇による時空間的シナプス小胞制御を解析し、Molecular Pharmacologyに発表した。 Alpha-synuclein はシナプス前終末膜に結合し、あるいは細胞質中に遊離して存在するが、その機能は不明である。パーキンソン病患者では細胞外のレビ-小体に蓄積していることが確認されている。コリン作動性シナプスにおいて、alpha-synucleinが細胞外から作用してカルシウムチャネルの動態を制御してシナプス強化に関わることを見出し、Journal of Neuroscience に発表した。さらに、シナプス小胞蛋白SV2Aがカルシウムチャネルの動態を制御してシナプス強化に関わることを見出し、European Journal of Neuroscience に発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時、平成28年度に計画していた構築されたコリン作動性シナプスの機能解析のうち、ACh小胞モーター蛋白Myosin IIB と新規小胞モーター蛋白Myosin VI の遺伝子操作による機能的活性化の検討(東京医科大学医学部学生林田迪剛)を26年度に完結した。 また、申請時、平成29年度に計画していたシナプスでの時空間的活性化と不活性化の解析のうち、シナプス前終末カルシウム濃度上昇による時空間的シナプス小胞制御を解析(東京医科大学医学部大学院生森倫範)し、Molecular Pharmacologyに発表した。さらに、エンドサイトーシスを駆動するDynamin isoformsの活性化とMyosin isoformsの活性化時間の違いの検討(東京医科大学医学部学生林田迪剛)から、それぞれの蛋白の機能位置と時間を推測することができた。 さらに、シナプス活動に依存してダイナミックに変かするシナプス可塑性を担う蛋白分子の動態を明らかにする研究計画のうち、シナプス終末膜蛋白alpha-synuclein、シナプス小胞蛋白SV2A(東京医科大学医学部助手谷藤章太)は、それぞれ、カルシウムチャネルの動態を制御してシナプス強化に関わることを見出し、Journal of Neuroscience, European Journal of Neuroscience に発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
強靭なコリン作動性シナプスを構築する培養ラット交感神経節細胞をモデルシナプスとして、平成27年度には、①構築されたコリン作動性シナプスの機能化と機能化されたシナプスの時空間的活性化と不活性化について26年度に継続して、また、29年度までに、②細胞接着分子群によるシナプス構造の維持と強化、③シナプス構築因子蛋白群によるプレシナプス構築と維持のメカニズム、④シナプス構築蛋白群によるACh受容体クラスター化について、鍵蛋白の遺伝子導入による機能亢進や阻害を起こし、シナプス伝達効率変化を電気生理学的手法で解析するとともに、鍵蛋白を可視化してその動態とシナプス形態変化を、異色蛍光の軸索での分布密度や移動速度とシナプス小胞膜への局在化、シナプスでの局在発現と複合体形成、ACh受容体クラスター化、Musk複合体形成を指標として解析して、発育途上/成熟シナプスのコリン作動性シナプス構築・維持・強化・機能化を担う各種蛋白群の働きを理解し、シナプス活動に依存してダイナミックに変化するシナプス可塑性を担う蛋白分子の動態を明らかにすることを目標に挙げた本研究を推進していく。
|
Causes of Carryover |
蛍光試薬を購入予定であったが、海外からの輸入品のため、26年度内に納入できないため、次年度に繰り越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額70,000円は、平成27年度の研究内容に基づいて必要な物品購入に使用する。
|
Research Products
(17 results)
-
-
-
[Journal Article] Exogenous alpha-synuclein decreases raft-partitioning of Cav2.2 channels inducing dopamine release2014
Author(s)
Ronzitti G, Bucci G, Leo D, Sotnikova T, Mus L, Thalhammer A, Cingolani L, Mochida S, Gainetdinov R, Stephens G, Chieregatti E.
-
Journal Title
J Neurosci.
Volume: 34(32)
Pages: 10603-15
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-