2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子発現・mRNA品質管理システム『mRNAポリA鎖制御系』の全容解明
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25291004
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
星野 真一 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40219168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 直 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (40438198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | mRNA分解 / 遺伝子発現 / 品質管理 / ポリA鎖 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
①増殖シグナルによるc-myc mRNA特異的ポリA鎖抑制と発現上昇のメカニズム:CPEBは細胞質ポリA鎖伸長因子として同定され、発生の初期過程や神経等においてポリA鎖伸長を引き起こすことが報告されてきたが、研究代表者らはc-myc mRNAの3'UTRに結合することでポリA鎖分解を引き起こすことを新たに見出した。また、c-myc mRNAの3'UTRには、CPE配列が存在するが、それに加えてncCPEも存在し、このncCPEがポリA鎖分解を引き起こす鍵となることも明らかにした。 ②Quakingファミリーに属するRNA結合蛋白質QKIによる遺伝子発現制御の分子メカニズム:QKIは統合失調症の原因因子として同定されミエリン形成に関わることが報告されているが、研究代表者らは、QKIのサブタイプ7が標的mRNAのポリA鎖伸長を引き起こし、その遺伝子発現を正に制御することを見出した。特にCDKインヒビターであるp27kip1については、増殖停止シグナルに応答してPAPD4と共にp27kip1 mRNAのポリA鎖伸長を引き起こし、翻訳を活性化することを明らかにすることができた。本研究成果は、本年度Nucleic Acids ResearchのBreakthrough articleとして選出された。 ③mRNAポリA鎖制御系マシナリーの全容解明:本年度においては、脱ユビキチン化酵素Usp10について詳細な検討を行い、各種ポリA鎖制御系コア因子との物理的相互作用を検証し、コア因子の脱ユビキチン化を介してコア因子の安定性を制御することでポリA鎖分解制御を行なっていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、ほぼ研究計画のとおり、概ね順調に研究の進展がみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は計画通りに推移していることから、来年度も当初研究計画に準じてし占めていく。
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Research Products
(9 results)