2014 Fiscal Year Annual Research Report
多機能分子の細胞内活性の統合と制御ーPI3Kの光操作を用いた研究
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25293042
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中田 隆夫 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50218004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 智浩 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60549947)
井上 明宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80322080)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光スイッチ / 解剖学 / 細胞組織 / シグナル伝達 / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム科学の進展と、バイオインフォーマテクスの整備は、web等の検索により、その一次構造のみならず、3-4次構造、モチーフ、結合蛋白、KOマウス、機能などが一覧できるようにした。その中でも細胞内の多機能シグナル分子は多くの部分に顔を出すわけで、より注目されるようになった。Rho ファミリー蛋白もその一つで、RAC1とCDC42はactinの重合と細胞シグナルの接点となる重要なタンパクと位置付けられている。その機能は25年前Alan Hallらが提唱したRAC1はラメリポディアを形成し、CDC42はfilopodiaを形成するという、変異蛋白の過剰発現を基にする説をこえていない。KOマウスを作ると死ぬかフェノタイプが出ないかで、これまでのG蛋白の機能の説に警鐘は鳴らせても、正答はこれだということが出来なかった。 我々はこのような事態を打開し、さらにこれらの興味ある蛋白が本来はどのような機能をしているかをこれまでとは異なるアプローチで研究することを試みた。それは光スイッチ蛋白を用いた急性促進実験である。一般の過剰発現、KOは慢性実験となり、その間に細胞が死ななければ適応してしまうことがあり得る。(というより適応は生理学的には生命そのものである)。しかし、急性の可逆性実験では、細胞は適応する時間がなく本性を現すだろう。これはよい阻害剤がみつかるとその機能への知見が進むのと同じである。我々はこれまで検討してきたPI3Kの研究から得られた知見を活かしつつ、すでに予定していたCDC42とRAC1の研究を行い、RAC1やCDC42とPI3Kの接点を探る。すでにRAC1とCDC42について単独での機能は光スイッチを用いた研究がほぼ終了し、多くの新しい知見が得られ、現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PI3Kについては、我々の作成した光スイッチが活性が高くleakも少ないので、スイッチは完成している。RAC1とCDC42の光スイッチも十分に使える。 またmRuby2、Y-Pet2をペアとした改良型FRETもあるので当初考えていた実験のための準備はほぼ、整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
PI3K、RAC1, CDC42の関係について明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験の進捗に応じて年度末間近でも消耗品を随時補充できるよう、基金分を残しておく必要があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分の研究費と合わせてさらなる実験を進める。試薬、プラスチック消耗品のほか、データ解析や情報の整理保存に必要な消耗品も購入する。
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