2015 Fiscal Year Annual Research Report
行動・代謝の概日リズム安定性、同調性を制御する新規リン酸化シグナルの解明
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25293053
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
早坂 直人 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任准教授 (80368290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 功 立命館大学, 理工学部, 教授 (00261389)
吉岡 芳親 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00174897)
西郷 和真 近畿大学, 理工学部, 准教授 (50319688)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概日リズム / 代謝 / リン酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は近年、代謝機能に不可欠であるリン酸化酵素SIK3を同定し、SIK3の遺伝子KOマウスを解析する中で、酸素消費、摂食、深部体温等の概日リズム位相が正常と比較して約6時間後退していることを発見した。また、このマウスは活動リズム周期の有意な延長、光同調性の異常、更にはSCN神経間の同期率の低下、培養細胞における概日リズム周期の不安定性など、これまでに例を見ない劇的なリズム異常が観察された。そこで、SIK3を介した新規リン酸化シグナル伝達経路の解析を通して、リズム安定性、同調性を保持する概日時計駆動の分子基盤を明らかにすることを目的とした。同時に、本研究が未だ謎の多い代謝とリズムのリンクに重要な知見をもたらすことが期待された。 平成27年度は、前年度までに明らかにした、PER2がSIK3の基質のひとつであるという発見をさらに発展させ、概日リズムおよび代謝を制御するSIK3シグナル伝達経路の詳細を明らかにすることを目的のひとつとした。また並行して、概日リズム、代謝、またはその両者を制御するSIK3のPER2以外の基質候補の同定する計画であった。前者のSIK3シグナル伝達経路に関しては、PER2をリン酸化し、概日リズム制御への重要な関与が示唆されているCKIとSIK3の相互作用の可能性について精査したが、CKIとSIK3はPER2を異なるタイミングで独立にリン酸化し、PER2の機能に関しても独立に制御していることが示唆された。SIK3の下流については、網羅的遺伝子発現解析で転写被制御候補遺伝子の同定を試みたが、PER2を介して転写制御される遺伝子(群)の特定には至らなかった。もう一つの目的である、PER2以外のSIK3の基質については、代表者の異動により研究環境に劇的な変化があり、実験動物の移動や再繁殖等に時間を要したこともあって、年度内の実施には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該の研究計画を申請した平成26年度時点と、採択された平成27年度では、所属研究機関の変更に伴う研究環境の大きな変化があった。動物実験施設を含む実験関連の設備に劇的な違いがあったと同時に、実験動物の移動に半年以上の期間を要するなど、計画した研究を実施する上で、複数の実質的な制限があり、当初の計画通りに研究を実施することが難しい状況となった。また、連携研究者、研究補助員、大学院生など、人的な研究実施体制の変化もあって、以前の計画通りに研究を遂行することは非常に困難であったといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要なたびに進捗状況の項で述べたように、27年度の研究機関の異動等により、当初の計画通りに研究を進めることが困難であったため、平成28年度も引き続き計画研究を継続し、以下の目標を達成する予定である。 ① SIK3の基質のひとつであるPER2の下流でSIK3の制御を受ける遺伝子群の同定 ② SIK3の新たな基質候補の探索 ③ SIK3シグナル解析を介した、概日リズム制御と代謝制御の関連性の解明
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Research Products
(3 results)