2016 Fiscal Year Annual Research Report
加速器中性子捕捉療法に向けた治療適格条件とプロトコルの検討
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25293267
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
平塚 純一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30192298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 伸彦 川崎医科大学, 医学部, 助教 (10614282)
櫻井 良憲 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (20273534)
粟飯原 輝人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30268619)
田中 了 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70412187)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 粒子線治療 / 中性子捕捉療法 / 臨床成績 / 再発頭頸部癌 / 悪性黒色腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで京都大学原子炉実験所(KUR)と原研東海実験所(JRR:3.11以降使用不可)で実施してきた原子炉BNCTのノウハウを加速器BNCTへスムーズに移行するための臨床的検討が今回の研究目的である。しかし、本邦で唯一利用可能な京大原子炉(KUR)が2014年から保守点検で運転を止めているため2014年6月以降現在まで治療症例の蓄積が出来ていない。そのため利用可能であった2014年4月~5月の間で実施した3例のBNCT治療症例とそれまでに蓄積された原子炉BNCT臨床データ(皮膚悪性黒色腫32例、難治性頭頚部悪性腫瘍55例)において治療計画で求められた計算上の線量(予想線量)から推測される腫瘍効果と実際の臨床効果を比較検討した。その中で以下の点が明確になった。 (1)原則1回照射であるBNCTでは腫瘍制御のための治癒線量として25Gy-eq以上が必要である。 (2)我々が治療計画作成時に用いているBPAの腫瘍 CBE 値 3.8は計算上の線量と臨床的腫瘍反応の整合性から推測して十分臨床で適応できる値と考える。 (3)腫瘍線量を推定する上でそれに影響を与える因子として以下の要因が考えられた。①18FBPA-PETの腫瘍内の不均一な集積 ②初回治療での放射線治療の有無 ③治療前の患者セッティング~照射中~照射終了までの約90分間の患者の動きによる照射野のズレ ④照射部位(たとえば顎下部~頚部の腫瘍)によっては、ターゲットと照射口との密着性が不良で最適な照射体位が取れないこと などである。 KUR再開後は、より治療効果を高める方法について検討する。特に、加速器BNCTでの多門照射、分割照射の可能性(Merit, Demerit)について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2014年から保守点検で運転を止めていた京大原子炉(KUR)が2017年7月から再稼動との情報を得ており、本研究の検討で得られた改善点をH29年度の医療照射で試すことでその実現性の有無を検討する。生かせる改善点があれば今後の加速器BNCTに取り込みたいと考えている。 KUR再開後より治療効果を高める方法について検討する。特に、加速器BNCTでの多門照射、分割照射の可能性(Merit, Demerit)について検討する。 一方、企業主導の「切除不能な局所再発頭頚部癌患者又は切除不能な局所進行頭頚部癌(非扁平上皮癌)患者を対象としたSPM-011・BNCT治療システム(BNCT30)による第Ⅰ相臨床試験」に関しては治験責任医師(平塚)、実施医療機関として9例の加速器BNCTを実施し、第Ⅰ相試験を完了し、現在第Ⅱ相試験が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
KUR再開時期は未定であるが、2017年7月には再開できるとの連絡を貰っている。再開時には速やかに症例エントリ-が行なえるよう準備する必要がある。特に、皮膚悪性黒色腫症例の収集に努めこれまでの臨床デ-タと合わせ加速器移行時(第Ⅰ相治験)のプロトコル作成に必要なデ-タ(周辺正常皮膚の耐容線量、黒色腫治癒線量、適応病期など)を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
京都大学原子炉実験所の研究用原子炉の停止状態が続いており、臨床研究が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、平成29年度助成額とあわせてデータ整理・解析に使用する予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] In vivo evaluation of neutron capture therapy effectivity using calcium phosphate-based nanoparticles as Gd-DTPA delivery agent2016
Author(s)
N.Dewi, P.Mi, H.Yanagie, Y.Sakurai, Y.Morishita, M.Yanagawa, T.Nakagawa, A.Shinohara, T.Matsukawa, K.Yokoyama, H.Cabral, M.Suzuki, Y.Sakurai, H.Tanaka, K.Ono, N.Nishiyama, K.Kataoka and H.Takahashi,
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Journal Title
J. Cancer Res. Clin. Oncol.
Volume: 142
Pages: 767-775
DOI
Peer Reviewed
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