2014 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織発生時物理化学的環境の機能性ハイドロゲルによる再現
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25293402
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 卓也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40324793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅哉 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (10332735)
平野 義明 関西大学, 工学部, 教授 (80247874)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 堅さ / アガロース / 骨 / 石灰化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、生体内硬組織形成部位、特に石灰化部位におけるさらなる物理環境の理解を進めた。具体的にはマウス発生時の大腿骨を計時的に採取し、マイクロCTによる三次元データ取得を行った。得られた三次元データから骨幹長、骨幹部断面における石灰化部面積などの経時変化を定量的に検討した。また、各日時における石灰化部の結晶配向性についても検討した。 その結果、E13から出生にかけて継続的な骨幹長の増加、断面部石灰化面積の増加が認められた。しかし、出生を境に、一時的な断面部石灰化面積の急激な減少を認めた。これは、出生後の骨髄形成増加にともない生じているものと考えられた。断面二次モーメントの算出から、興味深いことに、この時期における結晶性向上にともない、骨としての強度は維持されていることが確認された。 また、これとは別に、更なる骨周囲環境の再現として、機能性ペプチドRGDやKP24を導入したアルジネートゲルの作製やゲルビーズ簡易作製システムの構築なども進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい修飾ゲルの作製と、新しいゲル成形技術の確立を行い、これに関する論文を投稿、受理された。 また、これらに加え、骨形成物理環境のさらなる理解を進め、定性、定量的、かつ時間空間的に広範囲な解析を進めている。その結果、結晶配向性を元にした新たな知見獲得を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらなる石灰化生成部位における環境を生物学的評価(遺伝子、タンパク質を含む有機質の発現、分布)に加え、物理的評価(微小機械的性質、結晶性状)、化学的評価(水の分布、生成物の化学組成変化、水素イオン濃度)などをもとに理解するとともに、これら環境のin vitroでの再現を進める。特に水の移動、減少にともなう石灰化変化に着目し、その結晶成長、結晶配向性変化などについても検討を進める予定である。これらをもとにin vitroでの骨生成に最適な物理化学的環境構築を達成する。
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