2013 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学における発達障害傾向学生に対するサポート・スペクトラム構築に関する研究
Project/Area Number |
25293435
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
安酸 史子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (10254559)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (00196908)
金城 芳秀 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (40291140)
金城 祥教 名桜大学, 健康科学部, 教授 (00205056)
増満 誠 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (10381188)
正野 逸子 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (80280254)
佐藤 亜紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (80435130)
二重作 清子 純真学園大学, 保健医療学部, 教授 (70321221)
福嶋 龍子 純真学園大学, 保健医療学部, 教授 (00299984)
日高 艶子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (50199006)
白水 麻子 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (40435368)
岡村 純 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60316213)
小林 裕美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (50369089)
宮林 郁子 福岡大学, 医学部, 教授 (40294334)
吉武 美佐子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (50320388)
竹末 加奈 活水女子大学, 看護学部, 講師 (20551683)
松浦 賢長 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10252537)
三並 めぐる 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20612948)
原田 直樹 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (80598376)
楢橋 明子 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (50438264)
山住 康恵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 講師 (30553052)
北川 明 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (20382377)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 看護系大学 / 発達障害傾向 / サポート・スペクトラム / スクリーニング / メタ分析 |
Research Abstract |
平成25年度は、分担研究者が所属する11の看護系大学において、特別な支援を要する学生が学習や学生生活で表出する特徴的な行動について質問紙調査を実施した。その後、調査結果のカテゴリ化を行い、特別な支援を要する学生の行動特性確認リストの開発をおこなった。 質問紙調査の結果①文字の読み書きに関する課題が6項目、②衝動性や不注意、集中力の欠如、規律を守れないといった課題が8項目、③コミュニケーションや対人トラブルに関する課題が14項目、④状況に応じた適切な判断に関する課題が5項目、⑤こだわりや環境への順応に関する課題が3項目、⑥自尊感情の低さや不安感に関する課題が2項目、⑦その他の課題が2項目の、全40項目が抽出された。その後、この40項目の行動特性について、要支援と考えられる学生13名と支援を必要としない学生11名に対して、3名の教員がリストの項目に該当するか否かを判定した。この判定結果が要支援学生を判別するのに有意な項目か、3名の教員の判定は一致するかを基準に、24項目までリストを削減した。 最終的な行動特性確認リストとして、①文字の読み書きに関する課題では、【自分の考えを文章にすることが苦手である】の1項目、②衝動性や不注意、集中力の欠如、規律を守れないといった課題では、【忘れ物をすることがよくある】等の5項目、③コミュニケーションや対人トラブルに関する課題では、【目線を合わせられない】等の9項目、④状況に応じた適切な判断に関する課題では、【次に行動すべきことが分からなくなることがよくある(実習場面など)】等の4項目、⑤こだわりや環境への順応に関する課題では、【予定の変更(スケジュールや受持ち患者など)になかなか対応できない(実習場面など)】等の3項目、⑥自尊感情の低さや不安感に関する課題の項目は0となり、⑦その他の課題では、【微細運動や協調運動が苦手である】等の2項目となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25 年度は、①発達障害の学生を支援している先進大学へのヒアリング、②看護系12 大学での課題の共有化、③発達障害傾向の学生が看護系大学で学ぶ上での課題を明確化、④看護系大学の特徴を入れ込んだスクリーニング・チェックリストの開発と実施、を行う予定であった。 平成25年度の計画としては、①~③までのすべてを実施し、④の看護系大学の特徴を入れ込んだスクリーニング・チェックリスト(行動特性確認リスト)を作成することはできた。しかしながら、その確認リストを用いての学生の選定は行えていない。計画は、ほぼ順調に進展しているが、若干の遅れがみられるため、平成26年度早々に確認リストによる学生の選定を行うものとする。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、行動特性確認リストによって要支援学生と判定される学生への支援とその結果の情報収集を行うものとする。11大学それぞれで平成25年度に作成した行動特性確認リストにより要支援学生を判定し、該当する学生にどのような学内体制で、どのように情報共有し、どのような方針を立て、どのようなメンバーが、どれくらい、どのように関わったかを詳細に記録し、その支援により学生がどのように変化していったかといった情報を、支援報告書により定期的に収集していく。収集期間は一年間とする。 看護学部の学生は、2年次に多くの科目を履修・受講し、3年次では臨地実習をおこない、4年次は国家試験対策が必要となり、それぞれの学年次で異なる問題に直面する。このためスクリーニングで該当した学生のうち、2・3・4年次の各学年でそれぞれ1~2名程度、8名程度を各大学で選出する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
事務補助員の雇用に時間を要し、人件費が当初予定よりも少額となった。看護系大学のカリキュラムには実習があり、分担研究者が実習指導を行う教員であるため、先進大学への視察の日程調整が困難であった。そのため、先進大学への視察に参加可能な研究分担者が少なく、当初予定よりも旅費が少額となった。 事務補助員を雇用し、当初計画通りの人件費を使用する。さらに、メタ分析等分析に必要な会議を頻回に行うため、今年度繰り越した旅費を使用する予定としている。
|