2015 Fiscal Year Annual Research Report
文脈自由木文法の生成する木言語および文字列言語の性質の研究
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25330020
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| Research Institution | National Institute of Informatics |
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Principal Investigator |
金沢 誠 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (20261886)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 単純文脈自由木文法 / Dyck木言語 / 多次元木 / 表現定理 / 樹状指標文法 / Ogdenの補題 / Weirの制御言語 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1. 文脈自由文法の概念を文字列から木に自然に拡張した単純文脈自由木文法に対して，Chomsky-Schuetzenbergerの定理に対応する定理を証明した。これは，単純文脈自由木文法の導出木を3次元木で表し，3次元木の2次元表現としてDyck木言語の概念を使ったものである。さらに，この定理から，木接合文法に対するWeirの定理を単純文脈自由木文法の文字列言語に対する定理に一般化した定理を導くことができた。
2. Dyck木言語による単純文脈自由木言語の特徴づけのアイデアを応用して，指標文法に対する制限として，単純文脈自由木文法と等価になる樹状指標文法を考案した。これは，木接合文法と等価である線形指標文法の自然な一般化である。
3. 単純文脈自由木文法の文字列言語に対しては，反復補題(pumping lemma)が成立することが知られていたが，これを文脈自由文法に対するOgdenの定理を一般化したものに強めることができるかどうかわかっていなかった。本研究で，単純文脈自由木文法に対してはOgdenの定理のような性質は成り立たないことを具体的な反例を使って示した。この反例は，非終端記号の最大ランクが2であり，規則の右辺に出現する非終端記号の個数が1以下であるような単純文脈自由木文法である。これによって，単純文脈自由木文法の文字列言語のクラスと，Ogdenの定理を一般化した性質を持つことがわかっているWeirの制御言語の階層が，お互いに相手を包含しない関係にあることが初めてわかった。
4. 上で述べた反例によって，反復補題が成立することがわかっている次元2の多重文脈自由文法に対してもOgdenの定理が成り立たないことがわかるが，多重文脈自由文法が自然な形のOgdenの定理を満たすための十分条件を与えた。この言語のクラスは，Weirの制御言語の階層を包含するような抽象的言語族である。
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