2013 Fiscal Year Research-status Report
非線形最適化問題を解くための数値解法の研究およびその実装
Project/Area Number |
25330030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
矢部 博 東京理科大学, 理学部, 教授 (90158056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成島 康史 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (70453842)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非線形最適化 / 無制約最小化問題 / 制約条件付き最小化問題 / 共役勾配法 / 準ニュートン法 / 外点法 |
Research Abstract |
無制約最適化問題および制約付き最適化問題を解くための数値解法について、以下の通り研究した。研究成果の一部は最適化に関する国際会議、数値解析シンポジウム、研究集会(於京都大学数理解析研究所、政策研究大学院大学)等で発表した。また、研究結果が学術論文誌に掲載された。 1. 無制約最適化問題に対する共役勾配法について研究した。共役勾配法の収束性にとっては、降下方向を生成することが重要である。本研究ではHager and Zhangの研究に倣って、直線探索等によらず常に自動的に降下方向を生成する非線形共役勾配法の一般形を扱いその大域的収束性を証明した。また、スケーリング付き共役勾配法の収束性についても検討した。さらに別のアプローチとして、十分な降下条件に現れる方向微係数をコントロールすることも試みて新しい共役勾配法を提案した。そして、こうした提案手法の有効性を検証するために有名なテスト問題集を用いて数値実験比較を行った。 2.無制約最適化問題に対する3項共役勾配法について研究した。セカント条件を用いてヘッセ行列の情報を組み入れた解法の大域的収束性を証明し、数値実験比較をおこなった。得られた研究結果は海外の論文誌に投稿中である。 3.無制約最適化問題に対する準ニュートン法の研究として、正定値性を保存する対称ランクワン公式に注目し、修正セカント条件や多段セカント条件に基づいた解法を提案した。そして、その収束性を示すとともに数値実験比較を行った。 4.制約条件付き非線形最小化問題に対する数値解法の研究として、内点法の問題点(ウォームスタートなど)を解決するために主双対外点法に着目した。微分可能なメリット関数を提案して数値解法の大域的収束性を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形最適化問題に対して、新しい観点から数値解法を提案し、その収束性についてきちんと解析している。また、大規模問題に対する数値実験を通じてその有効性を検証している。ただし、実用的なソフトウエアの整備は今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、無制約最小化問題・制約条件付き最小化問題の数値解法について、新しい視点から解法を提案していくとともに、数学的な立場からその収束性について解析していく。さらに、数値実験を通してその有効性・実用性を検証していく。そして、現状を把握するために文献調査を行うとともに、必要に応じて国内外の学会の研究発表会やシンポジウムに出席して他大学・他機関の研究者と積極的に交流し、研究打ち合わせを行って意見交換をする予定である。 平成26年度は、前年度までの研究に加えて、微分不可な関数を含んだ非線形方程式を解くための数値解法ならびに制約条件付き最小化問題に対する共役勾配法についても研究していく予定である。
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Research Products
(9 results)